訪問歯科では何が出来るのか

入れ歯の老人 訪問歯科関連
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皆様こんばんは。ドクトルです。まだ5月というのに暑い日が続いてまいっちゃいますね。

さて今回はタイトルにある通り、「訪問歯科では何が出来るのか」について4点に絞って記していきたいと思います。

①口腔ケア

まず一つ目は口腔ケアです。これは皆様も想像に容易いかと思います。

まず前提としまして、訪問歯科を依頼される患者様というのは身体的な事情により外来に通えない方が大半を占めます。中でも身体が不自由な方、寝たきりの方、などなどご自身で歯磨きをすることが出来ない患者様を対象にしています。

口腔ケアって単なる歯磨きじゃね?” こういうふうに思われる方も正直未だに多いし、実際言われたこともあります。

しかしですよ、たかが歯磨きと思われてるかもしれませんがされど歯磨きなんですよ。

私達のお口の中には数千種類の細菌が常在しています。その中でも有名なのが歯周病菌です。歯周病菌も種類は数多ありますが、これらが分泌する有害な酵素が糖尿病、高血圧、さらには認知症の悪化につながると科学的に証明されています。

また、厄介なことに唾液(ツバ)の中にも数多くいます。この唾液を誤って飲み込んでしまい肺の方に蓄積されると肺炎を起こします。専門用語で誤嚥性肺炎と言います。

このようにお口を不潔にしておくと全身の病気を引き起こすことに繋がりかねません。特に寝たきりで自立度が低い高齢者の方で、歯磨きができないというのは命に関わる緊急事態であると言っても過言ではありません。

近年、口腔ケアは別名、口腔健康管理とも言われるようになってきました。この名にあるように我々は歯磨きを通じて患者様の健康を守るという役割を担っています。

②歯科治療(保険診療のみ)

二つ目は歯科治療です。ちなみに保険診療のみになります。

これが結構意外に思われる方が多いのですが、ポータブルの道具を持参してお伺いするので普通に外来と同じ治療が出来ます。

レントゲン撮影、虫歯の治療、抜歯、被せ物の作製、入れ歯の修理、新製etc 大半は可能です。

③摂食・嚥下

3つ目は摂食・嚥下です。要は食べ物の飲み込みを見るというものです。

歯医者が飲み込みを見る?どういうこと?

こう思う方々も多いかもしれません

摂食・嚥下という分野は元来耳鼻咽喉科が中心でした。

しかし近年になって、“食べ物を食べるということは口から始まる。だから歯科医師も積極的に関わっていく分野だ。”という流れがあり、歯科でも摂食・嚥下の依頼を受けています。

実際私の勤務先では、ミールラウンドと言って施設入居者のお食事の様子を一人一人観察し、食事時の姿勢調整、食具の提案、食事介助の仕方などなどアドバイスをさせていただいてます。

施設のみならず、居宅でも可能です。

ちなみに最近当院ではVE(嚥下内視鏡)も取り入れ、食事時にリアルタイムで患者様の喉の動きを見ながらご家族に食事の指導をさせていただくこともあります。

※イメージはレンズを覗き込んでいますが、実際はパソコンのモニターを見ながら操作しています。

あと、余談ですがミールラウンドを勉強する際に用いた本の紹介も併せてしておきます。

この本ではミールラウンドでよくある依頼とその対応方法についての解説が書かれています。

また、そもそも食べるという動作はどういう原理で起きるかという根本的な所から話を展開しておりかなり読み応えがある内容になっています。今でも自分の愛読書です。


④栄養指導

最後は栄養指導です。

“栄養指導って、、あなた歯医者ですよね笑?”

こんな声が聞こえてきそうですが無理もないと思います。

正確に言うと歯科医師はサブで、主として管理栄養士さんが中心となって行います。

近年、訪問治療において管理栄養士の栄養指導という項目で介護保険で算定ができるようになりました。具体的には栄養バランスの助言、お食事メニューの考案、患者様にあったお食事の作り方のアドバイスなどを行なっています。

冒頭にも申し上げましたが、我々が診ている患者様というのは寝たきりの状態が多く、必然的にほとんどの方が低栄養という現状にあります。こういった背景もあり管理栄養士さんが台頭に立つようになりました。

しかしながら全国的に見ても、管理栄養士さんがそもそも訪問できるという事実自体が全くと言っていいほど認知されていのが正直なところです。

ざっくばらんになってしまいましたが、以上4点に絞ってご説明させていただきました。特に後半二つは訪問歯科と一見無関係だと感じる方も多いかと思います。

まあとりあえず言いたいことは、もはや虫歯を治すだけが歯科医師の仕事ではなくなってきているのです。

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詳しい仕事などの内容はまたの機会にお伝えできればと思います。それではまた。

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