聴覚障がい者専用の特養が実在した〜ハートネットtv紹介[ななふく苑]

訪問歯科関連
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ドクトル
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こんばんは、ドクトルです。

このブログでは訪問歯科に関する情報を皆様にお伝えしています。

要点はマーカーで引いておりますので、その部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。

本日はハートネットtvでご紹介されていた、「聴覚障がい者専用の特養〜ななふく苑」について、とても興味深い内容でしたので、記していきます。

職業柄、特養には毎日のように行くのですが、聴覚障がい者専用の特養があるということは、恥ずかしながら全く知りませんでした。

老人ホームななふく苑とは?

まず「ななふく苑」について簡単にご説明していきます。

ななふく苑とは?その①:聴覚障がい者専用の特養

前述してる通り、聴覚障がい者専用の特養施設として位置付けされています。

ちなみに、ハートネットtvでは「ろう老人ホーム」とご紹介されていました。

細かい情報ですが、住所は埼玉県入間郡毛呂山町大字西大久保766-1、電話番号は049-276-5311

設立してからは16年目。

ななふく苑とは?その②:入居待ちが100人もいる

ななふく苑は、数少ない聴覚障がい者専用の特養のため、入居希望者もかなりあぶれているとのこと。

その数何と100名超。

ななふく苑をはじめ、聴覚障がい者専用の特養は全国でたったの10箇所しかないそうです。

なぜこんなにも少ないのか。

その理由は「国からの特別な補助金が出ないため」とのこと。

聴覚障がいであろうが、一般の特養と同じ類として位置付けされているという事情があります。

故に補助金が降りず、施設の拡充が困難ということです。

ななふく苑とは?その③:介護職員全員手話ができる

施設に従事されている、介護職員の方達は全員手話が可能。

この点は入居者の方々にとって、とても安心できるメリットですね。

ただ、手話が出来る介護職員の募集、手話未経験の介護職員への教育、育成など莫大な時間と労力がかかります。

こういった点も、聴覚障がい者専用の施設がなかなか全国的に増えない理由になります。

ななふく苑とは?その④:施設長も聴覚障がいをお持ちの方

ななふく苑の施設長である、速水千穂さんも聴覚障がいの当事者です。

こういった点は、入居検討の際に、信頼に値する判断材料になるのではないでしょうか。

参考までに速水千穂さんが出ている動画はこちら⏬

ななふく苑とは?その⑤:入居者の方々の要望を聴いてくれる

ななふく苑では、「要望書」というものを年に一度施設長に提出しています。

内容は、常識の範囲内であれば何を書いても可。

例えば、「寿司が食いたい」「ビールが飲みたい」「遊園地に行きたい」「花見がしたい」etc

少なくとも私が訪問している施設では、こういった取り組みをしているのは見た事が無いですね。

この「要望書」の裏側には、聴覚障がいによって不自由な人生を歩んできた、入居者の方々の生活史が関係しています。

  • 学校に行かせてもらえなかった
  • 虐め、差別を受け続けた
  • 旧優生保護法による不妊手術の強制
  • コミュニケーションが取れず孤立

このように、入居者の多くは、やりたい事も叶わない、叶えてはいけない人生を送り続けてきた背景があるわけです。

なので、この施設ではそういった負い目を感じさせない為に、「要望書」という形を挟んで入居者の方々に寄り添う姿勢を心がけています。

まとめ〜ななふく苑は人権に重きを置く施設だと思いました

「ななふく苑」という施設は、少なくとも私が伺っている特養よりかは、「人権」という側面にかなり寄り添っていると思いました。

「人権」を噛み砕いて言うのであれば「希望」でしょうか。

食べたいもの、行きたいところ、したいこと、してほしくないこと….

聴覚障がい者に限らず、普通の高齢者でもこういった希望はあります。

実際、我々が診療でお会いした際には直接「愚痴」として吐き出されます。

「あれがしたい、これがしたい、でも出来ないからつまらない」みたいに。

特によく出る話題が圧倒的に「食事」です。(詳細は下記の過去記事をご参照ください)

話が脱線しましたが、こういった要望に親身に寄り添う施設が少しでも増えればな、と多くの施設を訪問した時に感じている次第です。

しかし現実問題まだまだ難しいでしょうね。

「ご本人の望み」と「医学的安全性」。

両者を天秤にかけた時、必ずと言って良いほど100か0かの不毛な議論によくなります。

私が考えるに、二者択一でなくて、どういう采配にすべきかというマインドの方が良いのではと思っています。

長くなりましたが、ななふく苑という施設は、入居者さんの希望に寄り添う数少ない特養であると感じました。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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