こんばんは、ドクトルです。
このブログでは、役立つ歯科の知識を皆様にお伝えしています。
要点はマーカーで引いておりますので、その部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。
今回は「情熱大陸」にて本日(R4.12.11)放送されていた、小林久隆先生開発のがん光免疫療法について。
開発者:小林久隆先生について
先ず初めに、開発者である小林久隆先生のプロフィールについて、生年月日、出身地、学歴、経歴等簡潔に記していきます。
小林久隆先生プロフィール①:生年月日と出身地
生年月日は1961年9月13日生、61歳
出身地は兵庫県西宮市とのことです。
小林久隆先生プロフィール②:学歴
最終学歴は、京都大学医学部卒。
文句なしの超エリートです。
小林久隆先生プロフィール③:経歴・職歴
現在、NIH/NCI(アメリカ国立衛生研究所・国立がん研究所)分子イメージプログラム主任研究員として勤務されています。
さらに今年の4月に、関西医科大学光免疫医学研究所長に就任されているとのことです。
がん光免疫療法について
続いて、今回のテーマである「がん光免疫療法」の仕組み、適応症例、副作用など、特徴の詳細について記載していきます。
特徴①:がん細胞のみに働きかける
従来抗がん剤等の薬物療法では、がん細胞以外の健康な細胞も含めて攻撃する故、副作用がとても大きく出ていました。
しかし、この「がん光免疫療法」はがん細胞のみに光線を当て、破壊するという治療法です。
具体的には
- 光を纏った抗体を点滴にて体内に注入する
- その抗体が、がん細胞に付着する
- 付着したがん細胞に近赤外光を照射して、破裂させる
- 破裂まで約数分かかる
となります。
特徴②:適応症例は限定されている
「情熱大陸」放送内容によれば、現段階の適応症例については、抗がん剤、薬物療法、および手術が困難で且つ頭頸部癌に限定されているそうです。
加えて、ある程度大きいがん細胞については1回照射のみでは死滅しないようです。
これから研究をさらに進めていただいて、適応症例がより増えることに期待します。
特徴③:副作用について
副作用については、治療後の痛み、出血、喉のむくみ等報告されてます。
「情熱大陸」でご紹介されていた上咽頭がんの患者さんは、治療後はあまり調子が良くなく、痛みを訴えていました。
ちなみに[2022年版]光免疫療法によるがん治療のすべて、によれば海外での治験の結果、対象者30人のうち3人に痛みや気道閉塞なども報告されているとのこと。
特徴④:頭頸部癌の治療に限り、昨年保険適応になった
こちらの治療法は、昨年保険適応になりました。
ただし頭頸部癌の治療のみに限定されています。
ちなみに2021年末までには、約40回実施されているとのこと。
感想〜歯科の観点から見て、がん患者の口腔内有害事象が減るのは良いかもしれない
では最後に私の個人的な感想を以て結びとさせていただきます。
我々訪問歯科医でも、時折がん患者さんに、口腔ケアにて介入させていただくケースがあります。
というのも、抗がん剤、放射線療法などで粘膜炎、口内炎が増加する為です。
これが結構悩みのタネでして、痛みのせいで食欲不振になることも多々あります。
こういった現場を見ている私としては、副作用も比較的苦痛を伴わなず、何より口腔内有害事象も発生しない「がん光免疫療法」はより浸透していけば良いなと感じました。
まだ症例数は少ないので、エビデンスの構築に期待ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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