こんばんは、ドクトルです。
このブログでは皆様に役立つ歯科の知識、時事ネタなどをお伝えしています。
本日Twitterのトレンドで「精神科病院」が挙がっていました。
どうやら、東京都八王子市にある精神科病院「滝山病院」において、複数の看護師により患者への暴行行為が発覚したとのこと。
その時のYahooニュースはこちら↓
Yahooニュースの記事のみでは内容が薄かったので、もう少し詳細を調べてみました。
また、併せて私が思うところについても記していきます。
「滝山病院」での暴行事件の詳細について
それでは本題に入りましょう。
先ずは事件詳細からです。
参考元はNHKニュースです。ソースは後述掲載しておきます。
患者への暴行が関係者による告発により発覚
今回、なぜこの事件が表立ったのか。
それは、元職員による内部告発によるものでした。
NHKでの取材にて、元職員はこう語ります。
- 患者さんが(スタッフに)物で殴られたと泣いていた
- オムツ交換の時にも叩かれていた
- 暴言や虐待と思われることが、目の前で日常に行われていた
証言内容から、虐待・暴行は日常化していたことが分かります。
暴行・暴言の様子の映像を入手
証言内容にあった、虐待・暴行の様子は映像として残っていました。
その時の看護師の言動、暴行について、以下簡潔に書き起こします。
- (頭を押さえつけながら)「おい」って何だよ、「すみません」だよな
- 就寝時声を上げている患者に対し、枕で叩く
- 配膳前にて「喋るなって言ってんだろ。黙ってろ飯が来るまで。」と言い、頭を殴打
暴行に関与した複数の看護師が逮捕
こういった虐待行為が明るみに出たことにより、今回関与されたとされる複数の看護師が逮捕されました。
50代看護師1名、加えて看護師・准看護師4名が関与したとされ、現在事情聴取中とのこと。
今回の一連の件について、滝山病院は「現在捜査中の為、コメント出来ない」とのこと。
精神病院での虐待は全国で増加中
今回の事件は、氷山の一角に過ぎません。
この報道を聞いた時、正直「またか….」と思いました。
調べてみますと、やはり全国規模で虐待事件は相次いでいるようです。
国もこの状況を重く受け止めているようで、厚生労働省は先月から、全国の都道府県・政令指定都市に改めて指導監督を徹底するよう通知しました。
また来年4月から、精神科病院での虐待防止策を盛り込んだ改正精神保健福祉法が施行されるとのこと。
※改正精神保健福祉法とは
- 患者虐待防止のため、病院の職員に研修などを義務化
- 虐待が発覚した暁には、すぐさま公表する
- 通報した人が不当に解雇されないよう配慮する
事件内容については、以上です。
参照元ソースはこちらから
なお滝山病院の住所、電話番号についてはこちら
→住所:〒193-0802 東京都八王子市犬目町641 電話番号:042-654-6131
滝山病院ホームページはこちら
追記:R5.2.17 相原啓介弁護士により会見が開かれる
今回の事件に対し、事態を告発した相原弁護士が会見を開きました。
相原弁護士曰く、「『病室に帰ったらまた殴られます。連れて帰れないのならずっとここに一緒にいてください。』と泣きながら訴えていた方もいた。病院全体に虐待が蔓延していることを強く疑っています。」とのこと。
また、入院患者10人からの話によれば、暴言・暴行、不当な身体拘束があったと。
追記:R5.2.25 NHK:ETV特集「ルポ 死亡退院 精神医療・闇の実態」にて〜褥瘡放置など滝山病院の杜撰な内情が露わに
こちらの事件については、2.25日放送のNHK:ETV特集「ルポ 死亡退院 精神医療・闇の実態」で特集されました。
当初の第一報では語られなかった、知られざる真実、実態について事細かに放送されました。
簡潔にまとめると要点は以下の通りです。
- 滝山病院は「最後」の受け入れ先である
- 死亡退院が7割以上
- 杜撰な患者管理と日常茶飯事な虐待
- 患者の大半が生活保護者
- ケースワーカー、行政の間でも滝山病院の悪評は目立っていた
- 劣悪な病院と知っていたが、受け入れ先がないので仕方なく患者を送っていた
- 滝山病院は人工透析、ICUがある数少ない貴重な精神科病院だった
- 院長の朝倉重延が乗っている車はアストンマーティン
乱暴な言い方をすれば、滝山病院は正に「姥捨山」であり、貧困ビジネスにて甘い汁を吸っていたという実情が赤裸々になりました。
病院の腐敗した内情もですが、この劣悪な病院に依存せざるを得ない行政の仕組みもまた問題であることが分かります。
受け入れてくれて助かる福祉課、家族達と滝山病院の関係は正にwin-win。
長年こういった関係性があった為に、患者のことはさておき、なあなあになってしまった部分があるのでしょう。
以下は実際の患者さんの様子です。※ショッキングな画像を含みます
また、この院長の朝倉重延についてですが、過去に同様のトラブルを起こしているようです。
次項目にて記載しておきます。
※再放送はR5.3.1(水)深夜24時からです
追記:R5.5.11 改善命令と患者の意向調査開始
この一連の事件を受け、東京都は滝山病院に対し改善命令を下しました。
加えて5月11日から、入院中の患者に、今後転院するかどうかなどの、意向調査を開始しました。
目処としては、来月6月までに意向調査は完了する予定とのこと。
関連ワード「朝倉」について〜「滝山病院」と「朝倉病院」の関連性
ここからは、少し余談なのですが
「滝山病院」をリサーチしていた際に、yahooの虫眼鏡で「八王子 滝山病院 朝倉」と出てきまして、この「朝倉」って何?と思い、せっかくの機会なのでこちらの「朝倉」について調べてみました。
「朝倉病院事件」の主犯「朝倉重延」の「朝倉」らしい
結論から言うと、こちらの「朝倉」は過去に起きた「朝倉病院事件」と関与するものでした。
加えて、この「朝倉病院事件」に関与していた人物とされる、朝倉重延が滝山病院の管理者であることが判明しています。(詳細は公益社団法人日本精神科病院協会のHPをご参照ください)
ではこの「朝倉病院事件」とは一体どういった事件なのでしょうか?
まとめると以下の通りになります。
上記のように、人権無視のみならず、かなり杜撰で不必要な治療をしていたことで取り上げられた病院です。
この関連人物が、今回の事件の「滝山病院」の管理者なのもあり、「朝倉病院事件」が関連ワードで出てきているようでした。
こんな恐ろしいことをしていた医師が管理者の病院ってどうなんだ…と少々穿った見方にならざるを得ませんよね。
朝倉病院事件の詳細についてはこちらの動画をご参照ください⏬
まとめ〜なぜ虐待・暴行事件が起きるのか
では、最後に私の個人的な考えをもちまして結びとさせていただきます。
前提として、患者がいかなる人であれ暴力を罷り通すことは許されない。医療従事者の前に人として当然のことですよね。
にも関わらずなぜ起きるか?
一つ思うのは「仕事に誇りがないから」だと考えます。もしくは「誇りを感じる機会が少ない」から。
要は、やりがいを感じることが出来ずに、心がくたびれてしまっているのではないかと思うわけです。
結構な重労働をしているのに、相手から感謝の言葉一つかけられない。
ましてや、話が通じない方々を相手にする仕事ですから、相当なストレスもかかるでしょう。
こういった環境が日常になると、「もはや何の為に、誰の為にやっているのか分からない」状態になるのではないでしょうか。
自分達の仕事が、どのような形で社会貢献性が示されているか。
給与・待遇を改善するのも一つの方法でしょうが、自分達の仕事の貢献性について明示するのも重要だと思います。
私も仕事で、重度認知症の方を相手にすることは多いです。
場合によっては拒否が強く、頭を殴られたこともあります。
「こうまでされて、わざわざケアする必要なんてあるのか?」と思う日々も正直ありました。
しかし、こういった状況でも治療を継続出来ているのは、施設職員の方々、そしてご家族の方々から感謝していただけるお蔭で、結果やりがいに繋がっています。
なので、感謝される、相手が喜んでもらえるというのは、仕事をするにあたって非常に重要なファクターであると改めて感じます。
今回の暴行事件は正当化されるものでは決して無いですが、来年施行される改正精神保健福祉法で、少しでも労働環境の改善に繋がれればと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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