こんばんは、ドクトルです。
このブログでは、皆様に役立つであろう歯科の知識を、論文紹介を交えてお伝えしています。
要点はマーカーで引いておりますので、その部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。
本日のテーマは「リステリンの殺菌力について」です。
リステリンって本当に殺菌効果あるの?
リステリンの殺菌力について知りたい
リステリンってよく見かけるけど、使うの迷うな….
今日の記事はこういった方々にオススメです。是非ご覧ください!
本日ご紹介する論文はこちらです。
「Streptococcus mutansバイオフィルムに対するリステリン®️ナチュラルケアの浸透性と殺菌効果の評価」
大 墨 竜 也、竹 中 彰 治、坂 上 雄 樹、若 松 里 佳、 寺 尾 豊、大 島 勇 人、興 地 隆 史
今回ご紹介する論文では、リステリンの中でも、リステリン®︎ナチュラルケアの殺菌効果について調査しています。
それでは本題に入りましょう。
①使用材料と方法
今回の相手は人ではなく、口腔内細菌を対象としています。
使用材料と方法は以下の通りです。
使用材料:口腔内細菌、リステリン3種類とコンクール
- Streptococcus.mutans菌25175株を24時間培養したもの
- リステリン®︎ナチュラルケア(N群)、Listerin®︎Zero(Z群)、リステリン®︎フレッシュミント(F群)、0.12%グルコン酸クロルヘキシジン含有洗口液(CHG群)
調査方法:S.mutans菌への殺菌効果を見る
Streptococcus.mutans菌に対する浸透性と殺菌能について、N群とZ,F,CHG群の二グループで比較し、N群の効果の大小について調査しました。
※今回リステリン®︎ナチュラルケアに限定している理由は、当時発売されてからまだ間も無く、データが無かった為だと思われます。(商品は2013年発売、論文は2014年発表)
また使用材料の成分表については以下をご覧ください。
※補足説明
リステリン®︎ナチュラルケアの特徴は、アルコール成分が無く刺激性が少ない、また緑茶エキスが配合されており、より殺菌効果を上げているという点です。
またグルコン酸クロルヘキシジンというのは、商品で言えばコンクール®︎にあたります。
抜歯後の消毒、うがい薬でよく見るやつですね!
②結果
それでは結果です。
リステリンナチュラルケア(Z群)の殺菌効果はどのようなものになったのでしょうか?
リステリンの浸透性と殺菌能について
浸透性と殺菌能→Z群とF群とほぼ同等。なおかつCHG群よりも有意に高かった。
詳細は次の通りです。
- 浸透速度:CHG群の約5倍=即効性あり
- 洗口30秒後と5分後の菌数:CHG群に比べてリステリン群が圧倒的に低かった。=殺菌力高い
以下詳細のグラフです。
30秒後と5分後を比較してみますと
CHG群(コンクール)はほとんど変わっていませんが、N,Z,Fのリステリン3群
については、大きく値が減少しています。
CHG群(コンクール)は、リステリンと比較してやや見劣りした
なおCHG群が見劣りした結果になったことについては、本論文にて以下のように述べられてました。
CHG群がN群およびF群と比較して、有意に浸透・殺菌効果が減弱した要因としては物質の電荷が考えられる。CHGは陽イオン性化合物であり、陰イオン性を示す細菌表層に吸着し細胞膜に傷害を与える
〜(略)〜
デンタルプラークの表層に留まりやすく、深層部への浸透が遅延すると考えられる。
かなり簡単に言うと、化学的要因により細菌の表面でストップして、中に入り込みにくいからということです。
まとめ
では、まとめです。
リステリン3群は・・・・
『いずれも、浸透性、殺菌能共にコンクールより優れていた』
特にリステリン®︎ナチュラルケアは・・・・
『アルコール成分も無く低刺激性で使いやすい。且つ殺菌性も速く効果抜群。』
昨日の記事と同様、リステリンは元来のうがい薬よりもよく効くという結果が出ています。
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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