歯ブラシの種類か、ブラッシング技術か

論文紹介
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こんばんは、ドクトルです。

いきなりですが皆様、歯医者に定期検診で行かれた際に「プラークコントロール」の話をされたことはありませんか?

ざっくり言うと、歯についているプラーク(歯垢)が歯周病、う蝕の原因になるので、これを極力残さないよう毎日歯磨きを頑張りましょう、ということです。

今日ご紹介する論文は、このプラーク除去効果は歯ブラシの種類によるのか、はたまたブラッシング技術を磨くのが良いのか、どっちが重要なんだい!?といった内容です。

ドクトル
ドクトル

今回ご紹介する論文はこちらです。

「プラーク除去効果に影響する因子についてー歯ブラシの種類、ブラッシングの習熟度の比較」坪 﨑 健 斗,加 藤 智 崇,岩 田 良 子, 前 田 祐 貴,美 濃 直 輝,小 川 智 久

日本歯科大学生命歯学部附属病院総合診療科

今回は先に結論書いておきます。

 この記事を読んで分かること歯の汚れを残さないために、いかなる歯ブラシを使ったところでブラッシング技術が伴っていなければ全くもって意味はない。

それでは本題に入りましょう。

①被験者について

今回の被験者は、P群歯科医師10名(男性5名、女性5名 平均年齢30.6±4.79歳 平均残存歯数27.4±1.5本)と歯科医院でのV群ブラッシング指導未経験者10名(男性7名、女性3名 平均年齢35.1±8.39歳、平均残存歯数27.4±0.52本)です。

②研究方法

研究方法は以下の通りです。

  • 毛先、ヘッド、ネック、柄の大きさが異なったA~Eの5種類の歯ブラシを使用。
  • 研究初日に全被験者に歯面研磨と歯石取りを行い、プラークフリーの状態にした。
  • 研究初日から7日後、14日後、21日後、28日後、35日後を評価日とした。
  • 使用する歯ブラシはランダムに振り分けた。
  • 評価日では、17時から各種歯ブラシを用いて3分間ブラッシングしてもらった。
  • P群ではスクラビング法V群では自由にブラッシングしてもらった。

以上の方法で、ブラッシング前後のPCR(プラーク付着度合い)を比較しました。

なお使用した歯ブラシは下図に示します。

「プラーク除去効果に影響する因子についてー歯ブラシの種類、ブラッシングの習熟度の比較」より引用

また、スクラビング法とは、歯ブラシを歯面に対して90度に当てるやり方を言います⏬⏬

③結果

それでは結果です。

  • ブラッシング前のプラークスコア:P群(88.6%)<V群(96.3%)
  • プラーク除去率:P群(44.6±15.54%)>V群(17.4±9.81%)
  • P群で一番プラーク除去率が高かった歯ブラシ:Aタイプ(ヘッド小さい、カーブあり、段差植毛
  • V群で一番プラーク除去率が高かった歯ブラシ:どれも変わらない

※段差植毛とはこんな感じです⏬⏬

まとめ

では、まとめです。

ドクトル
ドクトル

ブラッシング指導未経験だとどの歯ブラシを使ってもプラーク除去率は低い

ブラッシング技術がある程度ある方の場合、どの歯ブラシを使ってもプラーク除去率は高い

一番プラーク除去効果がある歯ブラシは、ヘッドが小さく、段差植毛のタイプAであった

プラークコントロールは患者へのブラッシング指導が重要である。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。


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