入れ歯を入れたら直ぐに食べれるようになるのか

食べてる男 訪問歯科関連
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こんばんは、ドクトルです。

訪問歯科をやっていてよくある依頼の一つが入れ歯の作製です。

歯医者に行けなくなったから来て作って欲しい、失くしたから作って欲しい、全然合ってないから作って欲しい、、、、、、etc

こういった多くの理由でご依頼されます。

そして決まってこう聞かれます

「入れ歯を入れたら直ぐに食べれるようになるんですよね??」

結論から申し上げます。

それは「患者様次第です。」

ご家族
ご家族

無責任なことを言うな!

そんな声が聞こえてきそうです。

語弊があるかもしれないので、もう少し具体的に説明します。

ドクトル
ドクトル

確かに今よりかは食事のバリエーションは広がるでしょう。

しかし、食べたい物の硬さレベルが高ければ高いほど慣れるまでに時間を要します。

個人差ありますが約1〜2ヶ月です。

この1〜2ヶ月挫折せずに頑張れるかどうかが勝負です。

入れ歯は入れ始めてからが本番

これは先生によって言うことも違うかと思いますが、

自分はいつも「入れ歯は完成して着け始めてからが本番ですよ。頑張りましょう。」と言います。

これはどういう意味かと言いますと

  • 入れ歯内面がお口に馴染むのに1ヶ月以上はかかる(個人差あり)
  • 入れ歯周りの唇、頬などの顔面の筋肉を鍛える
  • 噛む力を鍛える

この3点を、入れ歯を装着して使用してもらいながらレベルアップさせていくということです。

そもそもご依頼されてくる患者様の多くは、長期間入れ歯を入れてない方が多数を占めます。

それに伴いお顔の筋肉が落ちて弛み放し、噛む力も当然落ちる、という事態になるわけです。

何年もこういった状態が続いていて、そこからのリカバリーは直ぐには難しいです。

なので繰り返しになりますが、「入れ歯を入れたら直ぐに食べれるようになるんですよね?」という問いに対しては

「入れ歯を入れてから、今まで衰えていたお顔周りの筋肉、そして噛む力が徐々に回復してきます。この回復期間は個人差ありますので正確には申し上げることは出来ないのですが、約1ヶ月以上はかかるかと思います。ですので直ぐには何でも食べれるというわけにはなかなかいきません。入れ歯は完成してからが毎日がリハビリです。一緒に頑張りましょう!ですが、不具合があれば遠慮せずに仰ってください。その都度調整致しますので。」

この旨は患者様に絶対お伝えしています。

もっと言いますと、完成前に2回、完成当日に1回、計3回ぐらいはお伝えしています。

ちなみに入れ歯を入れてのリハビリというのは、話好きであれば普通に会話したり、歌が好きな人であればカラオケをしたり、読書が好きな人であれば音読、などなどその人に合ったやり方で勧めています。

例外もある

しかしながら例外のケースもあります。

例えば認知症の方ですと、入れ歯そのものを認識できず、口の中にある大きな異物として判断してしまいそもそも使えない、などといったことが多いです。どんなに上手な入れ歯が出来たとしても、口腔内状況に適応できないのです。

その為、あまりにも認知度が不良の方には作製をお断りすることもあります。

入れ歯はあくまで噛むための道具

入れ歯は噛むための道具に過ぎません。

食べ物を食べれる=噛む+飲み込む で成立しています

要は飲み込む力が落ちていると、適切な入れ歯を入れたからと言って食事が出来るわけではありません。これは別問題で、嚥下機能へのアプローチが必要になってきます。

噛む力が無いのか、飲み込む力がないのか。

ここらへんのアセスメントはかなり慎重にします。

入れ歯作製依頼があったとしても飲み込む機能に問題があれば嚥下リハ、原因疾患に対してのアプローチを最優先に進めることがあります。

最後に

長々と書いてしまいましたが、入れ歯を入れたからと言って直ぐには何でも食べれるという訳にはなかなかいかないことが多いです。

完成して、初めて着けてから、お顔周りの筋肉のリハビリを通じて徐々にゆっくりと食事のレベルをステップアップしていく、という長い道程を超えていかなければならないのです。

ただ中には、自立度が高い人なんかは1週間で慣れておかき等食べてる人もいますが(笑

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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