おはようございます。ドクトルです。6月頭ですが、こちらの本日の最高気温は30度らしいです。
さて本日は8020運動について思うところを綴っていきます。
先ず結論から申し上げますが、この考えは少々極端なんじゃないかなと思っています。
歯科医療従事者がこんなことを言うのは気がひけますが、、、、
①8020運動とは
「8020運動」 (詳細はこちらをご参考ください)
この言葉は、歯科の中でも一般的に周知されている類だと思います。
ご存じの通り、80歳までに20本は歯を残そう、というスローガンに基づいています。
なぜ20本かというと20本以上の歯があればほぼ満足できる食事ができるから、という理屈です。
②8020運動達成率 目標値は50%以上
目標は50%以上にしましょう。
結論からいうと目標はすでにクリアしており、歯科疾患実態調査によれば、最新値は51.2%とのことです。(詳細はこちらをご参考ください)
③歯が残る=良いこと?
目標値も超えてる。
良き良き。
8020運動は老後のことを考えたとても素晴らしい取り組みだと思います。
無論、入れ歯より自分の歯があるに越したことはありません。
しかし、全ての人に当てはめるのは少々極端なのではないかなと、私は思います。
①の項目でも書きましたが、8020運動は歯が20本以上あればほぼほぼ満足に食事ができる、という考えが根底にあります。
しかし、歯が全部あっても食事ができない人達はいます。
認知症の方が正にこの類です。
認知症の方が食べられないのは、歯に原因もあることはありますが、多くは情報認知の問題です。
以前それについては記事にしていますので、宜しければご拝読ください。
虫歯を治せば、入れ歯を作れば、食べれるようになるでしょ。
以前の自分はこんなふうに考えていました。しかし、訪問歯科を通じて認知症の方々のお食事風景を見る機会に触れてからは、歯を治して機能できるようにすれば万事解決、という常識は見事に打ち砕かれました。
加えて認知機能が低下すると、ご自身で歯磨きも出来なくなります。
画像はイメージですが、これぐらいボロボロの状態で放置していることなんてザラにあります。
ではいざ治療しなきゃ、口腔ケアしなきゃ、と思ってもそんなに簡単にはいきません。
拒否が強くとても出来る状況でないのが現状です。全員とは言いませんが。
口腔内崩壊している、しかし介入しようにも難しい。
結果、崩壊が進む。
要は歯があること自体がリスクになり得る方達もいる、ということです。
最後に
歯はある方が良いに決まってます。
しかし、それは一生涯自分で歯を守れる管理能力が備わっている、というのが先ず前提としてあるべきだと思います。
なのでもし身内の方で、最近様子がおかしい、もしかしたら認知症かも?と思ったら早めに病院にかかるべきです。それで、歯が何か悪ければ、まだ初期は治療出来る段階ですので早めにご依頼されて下さい。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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