こんばんは、ドクトルです。
訪問歯科をしていると、必ずと言っていいほど認知症の患者様と巡り合います。
そこで、今日は認知症について曲がりなりにも自分が学んできたことを綴っていきたいと思います。
①認知症は4種類に大別される
認知症は大きく分けて4つのカテゴリがあります。
- アルツハイマー型認知症→世間一般で持たれてるイメージの認知症
- レビー小体型認知症→幻視がある、パーキンソニズム、うつ、抗精神病薬を服用している
- 脳血管性認知症→脳梗塞などで脳にダメージを負って生じる。脳血管障害を再発しない限り進行はしないと言われる。
- 前頭側頭型認知症→過食、感情の抑制が効かないなど
コンパクト過ぎるかもしれませんが、横に主な特徴を書きました。
本来はもっと細かく分けられるのですが、ここでは割愛させていただきます。
②中核症状と周辺症状(BPSD)がある
これは多くの専門書にも掲載されているのでご存じかと思われますが、
認知症の症状は中核症状と周辺症状(BPSD)からなると言われています。
中核症状とは
- 見当識障害→時間と場所が分からない
- 実行機能障害→やりたいことに対してどうやればいいのか分からない
- 失語→言葉がうまく使えない
- 失行→動作がぎこちない
- 失認→物の見分けがつかない
の5種類からなります。この症状は、先ほど挙げた4つの認知症全部に共通して出てくる症状です。
一方、周辺症状は
- 抑うつ
- 興奮
- 徘徊
- 焦燥
- 妄想
- 睡眠障害
などが挙げられます。これらの症状は個人差がある、即ち出る人もいれば出ない人もいます。
諸説では、ストレスなど負の感情が蓄積した結果、上記の行動として出てくるとも言われています。
③カーネマンの注意モデル
情報→認知→判断→実行→動作
我々が情報処理を脳内で行う時に、上のようなプロセスを踏んでいると言われています。
例えば目の前にペットボトルがある、という情報に対して
ペットボトルがある(情報)→これはペットボトルだ(認知)→蓋を開けよう(判断)→蓋を開ける(実行)→飲む(動作)
というような流れになります。またこの過程においては、注意が一つ一つ働くと言われているので注意モデルと呼ばれています。
反して、認知症の方は注意力がないのでこのような正常なプロセスを踏むことができません。
ここでは食事を例にします。
正常な方は、目の前にある食事という情報に注意が向くのですが
認知症の方は違ったところに目が向いてしまいます。どういう流れかと言いますと
食べ物がある(情報)→目の前に何かある。周りにもいっぱい何かある(認知)→で、何すればいいの?(判断)→分からないから他の人の真似しよう(実行)→キョロキョロする(動作)
というふうになります。要は正常な認知を行えないので、違った動作になってしまうということです。
④認知症は皆なるもの
これはとあるセミナーを聴講していた時に講師の方が仰られていたのですが、認知症は遅かれ早かれ人間皆通る道だとのことです。
なので予防するという概念でなくて、備えるというスタンスが丁度いいと仰られていました。
具体的には何がベストかというと、脳トレ、計算ドリルなど情報処理能力を鍛えるトレーニングが今のところは良いそうです。
他には思い出話に花を咲かせて、想起という回路を脳内で作ることも重要だと言われてました。
最後に
認知症という病態を調べたら、無意識に対応の仕方も変わってきました。
訪問歯科をやり始めた時は、かなり戸惑いましたが。。。
しかし正直な話、意志疎通ができないので、イラッとすることもないとは言い切れません。
ですが認知症と言えども、負の感情は残るし、感情を伴う体験は記憶に残ります。そしてこういった府の記憶は、やがて拒否といった形に出てくると言います。
なので不快感を与えないよう、常に優しくしなければならないし、優しくありたいものです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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