皆様今晩は、ドクトルです。
我々職業柄、施設入居者の方とよくお話ししたりする機会が多いのですが、今日は特によく出る話題について綴っていきたいと思います。
と言っても大体一つに絞られるのですが、、ズバリ
「ご飯について」
施設入居者様の楽しみは食べること
天気の話とか、孫の話とか、色々あるのですけども圧倒的に飯の話しが多いです。
好きな食べ物って何でした?
唐揚げ、ラーメン、煎餅、、、、、ラーメン(2回目)
施設の食事は味が薄いわ。
こんな他愛もない話をするのですけども、本当に恋しそうな表情をされるんですよ。
特に塩っぱいものを欲している方が多いような気がします。
施設では、厳密にカロリーが決まっており塩分も控えた食事メニューであるため、濃い味に慣れていた方にとっては物足りないことが多いようです。
誤解が無いように言っておきたいのですが、別に施設をディスっている訳ではありません。
施設サイドとしても栄養バランスを考慮しなければならない事情があるのは重々承知しています。
あと、もう一つよく言われるのが
お粥じゃなくて普通のお米が食べたい。
これが結構言われるんですよ。
こう仰られている方々の多くは、誤嚥性肺炎の既往があり、食形態を落とされている方です。
無論リスクを考慮して、予防線を十分に張った上でのことなので致し方無いとは思います。
こう言われた自分は
そうですよね、、、
と全く気の効いた言葉が言えず、心の中で悶々とすることが多々あります。
入居者の方にとって食の悩みは結構シリアス
完全に個人的な意見になりますが、入居者の方の多くは食の悩みを抱えていて、それについては無視できない深刻な問題ではないかと思います。
このコロナ禍も相まって、外の散歩は出来ず、自分のやりたいことも自由に出来ず、ただでさえ窮屈な空間にいるのに、その上ご飯ですら食べたいものも食べれないという状況はストレスも半端じゃないと思います。
「だからせめて食事だけでも、、楽しみを与えれれば、、」
なんて思います。
肺炎、熱発を何度も繰り返しているような、明らかに超ハイリスクな方は別ですけど、
本当はもしかしたら普通のお米食べられるんじゃないか?と言う際どい方も何人か散見されるように思えます。
可能であれば、VEで精密に検査して明確な状態を知りたい所です。
最近受けたとあるセミナーで、食形態は一気に全品落とすのではなく、1品だけでも食感のある高レベルの食事を提供してみるのも良い、ということを言っておられました。素晴らしいアイデアだと思います。
しかしこれが居宅だったらまだしも、施設様相手に言うのはルールもありますし、正直残念ながら現状としては困難でしょう。
それに、もし何かあったら責任取れるのか貴様?ということになるわけで、、
最後に
医学的にはリスクはある、だけど食べたいもの、嗜好物を一口でも良いから食べさせて生活の楽しみを与えてあげたい、という葛藤が常々あります。
こんな自分は医療従事者として情に流されすぎているのでしょうか。
なかなか複雑であります。
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