こんばんは、ドクトルです。昨日は台風並みの大雨でしたが、本日は落ち着いた模様です。
さて、本日は「看取り」についてです。
看取り・・・病人のそばにいて、いろいろと世話をすること。看病。
また、その人の臨終に付き添うこと。 (デジタル大辞泉より引用)
医師、看護、介護施設の方々には馴染みのある言葉だと思います。
私、ドクトルもこの訪問歯科を通じて遭遇する機会が増えました。そして、正に今日この場面に立ち会いました。
本当はご家族の方々に囲まれるて逝くのに越したことはないのでしょうが、如何せんこのコロナ禍というのもあり難しいようです。
あまりイメージは湧かないかもしれませんが、実は看取りになった状態でも、我々訪問歯科が最期まで寄り添うことがあります。
看取りの状況でも歯科が関わることがあるんだ、ということを今日の記事を通して周知していただければ幸いです。
それでは、なぜ我々歯科が関わることがあるのでしょうか。
①乾燥痰が多量に付着する
まず一つは、お口の中に乾燥痰が多量に付着してくるからです。
看取りの方全員ではないですが、多くの方々にこの傾向が見られます。
実際、施設の依頼でダントツに多いのが、看取り前の乾燥痰除去についてです。
亡くなる直前というのは、残酷ながら口腔内が汚染されていきます。
消化管、気管内分泌物が溢れ出てくるからです。
その為、痰は拭いても拭いても溢れ出てくるので本当にキリが無くなることが多いように思えます。
今日診た看取りの方も、まさしくそういう状況でした。
②グリーフケア
二つ目はグリーフケアに寄与する、という意義があります。
配偶者や子供、親などの家族、親しい友人などと死別した人が陥る、複雑な情緒的状態を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ち直り、社会に適応できるように支援することをいう。
(日本大百科全書より引用)
看取り期に口腔内が汚染された状態でそのままお亡くなりになってしまうと、かなりの悪臭が生じると言われています。これではご本人様も、周りの身内の方々もうかばれないと思います。
そうならないように、我々歯科が看取り期でも、いや看取り期だからこそ口腔ケアを徹底する意味は大いにあるのです。
まとめ
以上の二つの理由から、看取り期において歯科が関わることがあります。
訪問歯科をするまでは、まさか自分が人の最期を見ることに立ち会う経験に遭遇するとは想像もつきませんでした。
ちなみに自分は1回だけ、まさにご逝去される直前の入居様の口腔ケアをさせていただいたことがあります。
前から看取りですと言われていた方だったのですが、いつもの往診の日に伺った時看護の方から
「もう最期です。最期ですが口腔ケアをお願いします。」
と言われました。
冒頭でも言いましたが、コロナ禍の為ご家族は入れないので、施設のスタッフの方々のみに囲まれて、好きな音楽を聴きながら息をひきとっていきました。
微力ながらも、最期まで口腔ケアという形で関われた経験は非常に大きいものとなりました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
併せまして、我々が看取り期の方に使用している口腔ケア用品もご紹介しておきます。
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