こんばんは、ドクトルです。
このブログでは皆様に役立つ歯科の知識、時事ネタなどをお伝えしています。
今回は「日経スペシャル 60秒で学べるnews」にて、認知症の今後について触れていたコーナーがありましたので、簡潔にご紹介していきます。
なお、本日の出演者はウエンツ瑛士(MC)、田中瞳(進行)、平野ノラ、勝村政信、小沢一敬、大友花恋です。
とある方の研究によれば認知症は減少するらしい
それでは本題に入りましょう。
あらゆるメディアで、「認知症は増加するので気をつけてください」と周知されているかと思います。
しかしながら、とある研究では、逆に減少するであろうと主張しています。
発表者:東京大学大学院教授 橋本英樹
こう高らかに声をあげていらっしゃるのは、橋本英樹先生という方です。
以下簡潔に経歴、プロフィールを記載しておきます。
- 所属:国立大学法人東京大学 医学系研究科公共健康医学専攻教授
- 学位:医学博士
- 専門分野:公衆衛生学・健康科学
ソースはこちらから→東京大学 橋本英樹
認知症患者減少の鍵は「教育」
厚生労働省の発表によれば、認知症患者数は20年後の2040年では最大約950万人にもなると予測を立てています。
ところが、橋本英樹先生の研究によれば約半数の400万人台であるとのことです。
橋本英樹先生曰く、認知症患者減少の要は「教育」にあると主張します。
この要因が厚労省の予測に入っていない為、数字に乖離があるとのことです。
より詳細を言いますと、脳を鍛えて、脳筋力を上げることが重要であると言います。
この根拠は、戦前と比較して戦後の日本人の認知症発症率が減少していること、そして65歳以上4500万人分の仮想データでの分析に基づいています。
認知症予防 4つのポイントとは
橋本英樹先生が言うに、認知症予防において重要な4つのポイントは
- 食習慣に気をつける
- 継続的な運動
- 趣味を楽しみ、人と交流する
- 聴力の低下に要注意
教育、すなわち脳筋力を上げることが重要であると前述しましたが、つまるところ、脳に刺激を与えるということが要になるわけです。
例えば、平野ノラさんの質問にもあったように「脳トレがいいのでしょうか?」については
短期的に効果はあるが、一人でこもるより大勢の人達とやった方が刺激になり効果的であると仰っていました。
やはり「孤立」という環境も認知症のリスクになるようですね。
中でも強調していたのが4番目の聴力について。
聴力低下により音の刺激がつかめなくなるので、情報伝達量が少なくなることで認知症発症の重大なリスクの一つであると。
なので人によっては、補聴器の使用等工夫が必要であるということですね。
エーザイ開発「レカネマブ」に注目
そして最後に、発表があって久しいですが、エーザイ開発の抗認知症治療薬「レカネマブ」について言及していました。
この「レカネマブ」については過去に記事にしていますので、宜しければご覧ください↓
アルツハイマー原因物質のアミロイドβに直接働きかけるという薬でした。
余談ですが、この薬の開発には、橋本英樹先生の同僚が関与しているとのことです。
まあ、恐らくそういった事情もあり宣伝も兼ねたのだと思われます。
まとめ〜結局なる前に予防するしかない
では、私の個人的な感想を以て結びとさせていただきます。
認知症については、色々と記事にさせていただきましたが、どの方も仰ることは似たり寄ったりだなと感じてます。
どんな薬にせよ、どんな治療法にせよ、認知症というものは早目に予防するしかない。
裏を返せば、慢性化した状態ではもはや手遅れで、そうなれば疾患と何とか折り合いをつけて共存するほかないということ。
残念ながら、どれだけ技術が進歩しようにもこれに尽きるなと、そう思います。
また予防の面で、周囲と関わる環境を作ることも予防として重要である、とありましたが、孤独に引きこもっている高齢者をいかに見落とさず、気づいてあげれるか、そしてこういった仕組みをどう構築するか....これは何度も言っているとは思いますが、もはや永遠の課題のような気がしてなりません。
しかし場合によっては、独りが好きな方もいらっしゃいますからね。こっちが躍起になって無理やり外に引っ張り出すのも、尊厳を傷つけるような思いがあり気が引けます。
環境づくりだなんだ、と言っても机上の空論と化すことが多いのではないでしょうか。
あとは、認知症予防で重要なのは口腔ケアです。これも何度も言っていますが、重要なことなので、歯科医師として改めてお伝えしておきます。詳細は下記の過去記事をご参照くださいませ。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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