こんばんは、ドクトルです。
このブログでは、皆様に役立つ歯科の知識をお伝えしています。
要点はマーカーで引いておりますので、その部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。
さて今回は、本日放送されたクローズアップ現代の「成年後見制度」について、私の感想を簡潔に記していきます。
まず始めに、成年後見人制度について何点か説明を入れておきます。
成年後見人制度とは?
成年後見人制度とは、認知症など、ご自身の生活管理能力に不安があるような方達に対し、成年後見人という代理人を立てることで、本人の代わりになって生活管理をサポートしてくれるという制度です。
内容としては財産管理、施設入居などの生活支援などが挙げられます。
続きまして、詳細の内容を以下記していきます。
①成年後見人になれる人と選ばれ方
そもそも、成年後見人ってどういう人がなれるのか?どうやって選ばれるのか?という点について。
基本的に「親族、司法書士、弁護士」などが多いとされます。
近年は親族以外の第3者(弁護士、司法書士)が9割近くを占めるそうです。理由は、親族での不正が多発した為とされます。
また選定については、ご本人からの直接指名、もしくは家庭裁判所からの選定になります。
ケースとして多いのは圧倒的に後者とのことです。
一方以下の項目(欠格事由)に当てはまる方は成年後見人になることはできません。(相続弁護士ナビより引用)
- 未成年者
- 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
- 破産者
- 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
- 行方の知れない者
②成年後見人制度はいつまで有効なのか?
では、この制度はいつまで有効なのでしょうか?
何と『本人の判断能力が回復するまで、もしくは亡くなるまで』です。
要は、この制度、縛りが「一生」に等しいということです。
③成年後見人の報酬について
成年後見人の報酬は、家庭によって異なりますが、概して月2万〜6万とされています。
もちろん支払い元は、ご本人の財産からです。
④身内からの不満の声も上がっている
実際、この制度に対して親族の方々からもいくつか不満が上がっているのが現状としてあります。
例を挙げると
- 後見人に支払う報酬額を聞かされていない
- 後見人と一度も面識がない
- 医療費以外の出費については厳しく管理される
- 報酬の支払いが地味に痛い
- 後見人の当たり外れがある
⑤後見人制度について、国連から勧告を受けている
この後見人制度については、諸外国からも反発の声が拡がっています。
- 代行的な意思決定の仕組みの廃止せよ
- すべての差別的な法規制と政策を廃止せよ
- 障害者の自律性、意思、好みを尊重せよ
- 意思決定支援の仕組みを確立せよ
「自律性を無視した、差別的制度である」と認識されているようです。
以上、成年後見人制度の詳細についてでした。
クローズアップ現代「成年後見制度」を見ての感想
続いて、本放送についての個人的な感想を何点か記していきます。
感想①:側から見れば便利だと思ったけど….
私が診ている患者さんの中でも、後見人制度を用いている方が何名かいらっしゃいます。
後見人制度については、ただ便利なシステムだなというふうにしか思っていませんでした。
「世話してくれるなんて、親切だな〜」と。
しかし、今日の放送を見まして、結構な『縛り』があることを知り、とても驚きを隠せずにはいられませんでした。
というか、そもそも身内の財産を第3者に管理されること自体、少々抵抗があるのに、それを死ぬまで一生管理される、となると親族側は正直しんどいですよね。
感想②:制度を活かすも殺すも成年後見人次第か?
とは言え、この制度の背景は、ご本人の管理能力低下に対しサポートをしているという訳でして、一概に後見人の方々を批判する理由は無いと考えます。
ですが、番組内でもありましたが、ご本人が好きだった温泉旅行の費用を「病気が治らないので出せない」という理由で一切捻出しない、という後見人さんについては、一辺倒過ぎるかなと感じます。
まあ、これが明らかに親族側の浪費であれば話は別ですが。
現に親族での不正が多発した理由で、後見人は第3者が多い訳ですし。
言い方悪いですが、結局後見人ガチャの部分は出てくるだろうな、と思いました。
思いやりのある方でしたら、良いですよね。
まとめ〜ネガキャンもあるが一概に悪いとは言い切れない
乱文になりましたが、まとめです。
本放送も含め、幾つか否定的な意見もありました。
ですが、身寄りがない人など、この制度が無いと困る方もいらっしゃいます。そしてこの制度のおかげで、診れている患者さんがいるのも事実です。
この制度に限らず、万人を満足させるのは無理がある話です。多少の穴はあっても致し方ないと思います。
私の両親も高齢なので、いつかはこの制度について考えなければならなくなる時期も近いかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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