北海道江差町:社会福祉法人「あすなろ福祉会」の不妊処置にて炎上している件について

時事ネタ
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ドクトル
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こんばんは、ドクトルです。

このブログでは、役立つ歯科の知識や時事ネタなどを皆様にお伝えしています。

要点はマーカーで引いておりますので、この部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。

本日夕方未明、Twitterトレンドにて#不妊処置が挙がっていました。

その一件となったソースがこちら⏬

北海道江差町の「あすなろ福祉会」という施設にて、入居している障害者に不妊手術をさせていたことが、炎上している模様です。

北海道江差町「あすなろ福祉会」について

先ず、「あすなろ福祉会」とは一体どういう施設なのか?

簡潔にですが、調べてみました。

社会福祉法人「あすなろ福祉会」はこんな施設

以下ホームページより一部引用。

あすなろ学園は、生活介護・施設入所支援・短期入所の3つの事業を一体的に運営し障害支援区分の高い方達のリハビリや日常生活の支援を実施する定員40名の施設です。

〜(略)〜

法人全体で約400名の利用者の中、入所施設は「あすなろ学園」の40名1施設だけです。

社会福祉法人あすなろ福祉会 あすなろ学園HPより引用

HPによれば、知的障害を持っている方達のデイサービスの場、あるいはグループホームの場としての位置付けだそうです。

なお住所、電話番号、理事長については下記ご参照ください。

ドクトル
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住所:〒043-0033 北海道桧山郡江差町字豊川町62‐2

電話番号:(0139)52−5577

理事長:樋口英俊

行政処分の過去あり

加えてこちらの施設、昨年、職員が利用者に日常的暴行・虐待を加えていたことが発覚し、3ヶ月の行政処分が下っていました。

当時のニュースがこちら⏬

今回の一件について

続きまして、この一件についての中身をもう少し覗いてみます。

なぜここまで炎上しているのでしょうか。

不妊処置の依頼

報道によりますと、「知的障害があるカップルらが結婚や同棲を希望する場合、男性はパイプカット手術、女性は避妊リングを装着する不妊処置を20年前から条件化していた。それも同意の上で。」とのこと。

なお、拒否した場合は就労支援を断ち切り、退所勧告したそう。

この件に対し、厚労省は「障害の有無を問わず人としての尊厳は守られるべきで、事実なら不適切だ」と憤りのコメント。

対し、樋口理事長は「養育不全になった時に誰が責任を取るのか。生まれてくる命の保証はしかねる」と主張。

ヤフコメ欄の意見

このニュースに対して挙がっていた意見を、まとめてみました。(以下ヤフコメ欄より抜粋)

  • 前時代的考え過ぎる。重大な障害者差別・人権侵害である
  • 現実を見ているからこそ、むしろ障害者の為を思った言葉だ
  • 避妊の強制は人権問題だが、やむを得ない部分もある
  • 綺麗事だけで語られるのは無理がある
  • 非常にナイーブで難しい問題
  • 施設は慈善事業ではない。言い分はもっとも。嫌なら他の施設を使えば良い。
  • 厚労省は「人権が〜」と言うが、では産まれた後のケアを国として支援してくれるのか?

概して、樋口理事長を擁護する意見が多数を占めていました。

追記:2022.12.19 北海道が施設に聞き取り開始

最新のニュースが入ったので追記しておきます。

今回の一件を機に、厚労省から北海道に対し、事実関係の確認を求めるよう指示が出ました。

同日記者会見にて樋口理事長はこう語っております。

樋口理事長
樋口理事長
  • 不妊処置の強制は一切ない
  • カップルからの結婚や同居の相談があれば、保護者も交えて話し合いはしていた
  • 万が一子供が出来ても、当施設ではサポート出来ないと事前に伝えている
  • 同棲すると子供が出来る可能性があるが、子供の今後のことも含め保護者と本人とで話し合いをしている

そもそも、一般的にグループホームにおいては、出産後に子供と一緒に入居を継続することは制度上想定されていないとのこと。

加えて、仮に出産した場合は、施設を出て独居しなければならず、その際、ヘルパーの制度を利用することになります。しかし利用回数の上限、時間の制限などがあり、100%安心して子供を育てる環境ではないのも現状としてある。

ドクトル
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育児能力の面でも然り、仮に出産したとして、その後を社会的に支える体制面も不十分であるということですね。

また、今回の件について、施設入居者の40代カップルは以下のように語ってます。

不妊手術は提案され、納得した上で行なった。強制はされていない。

子供が出来ても育てる自信がない。今は幸せです。

少なくとも報道上では、不妊処置を選択したことに対し負い目は感じていないことが分かります。

ソースはこちら⏬

追記②:2022.12.26 監査開始

R4.12.26日。

北海道はこの件を重く受け止め、障害者総合支援法に基づき監査を開始。

なお監査は年明けまで行われる模様。

場合によれば、勧告命令が下るとのこと。

ドクトル
ドクトル

障害者総合支援法とは、「障害者の人権」について謳っている法律です。

追記③:R5.1.12 障がい者団体「ピープルファースト北海道」より抗議

R5.1.12日

今回の騒動に対し、障がい者団体「ピープルファースト北海道」があすなろ福祉会に対し、文書により正式に抗議を申し立てました。

ピープルファースト北海道の主張は以下の通りです。

  1. 自己選択や自己決定を奪う差別である
  2. 愛する人と一緒にいられなくなってしまうという不安を利用して、不妊処置を行なったのではないか

※団体のリンク先はこちらをご参照ください→「ピープルファーストジャパン」

まとめ〜樋口理事長の意見に概ね同意

では、私の意見を以て結びとさせていただきます。

結論、私も樋口理事長の意見に概ね同意です。

確かに「人権」という側面で抵触する部分はあるかもしれません。

しかし、樋口理事長も仰ってたように、産まれた後の子供の人生について誰が保障してくれるのか?

結局この問題に尽きると思いますね。

それに、この規則は施設内での話。

『少なくともあすなろ学園では、子供の管理までは残念ながら出来ません、なのでうちで結婚して生活するのであれば、申し上げにくいのですが不妊処置をして下さいませんか?条件が呑めないのであれば退所願います。』と、私はこう捉えました。

これはあくまでも私の推察に過ぎませんが、この規則を規定するにあたって、血の涙をも飲む思いもあったのではないのかな、と感じます。

厚労省は「人権が〜」と主張していますが、仮に妊娠した方が、著しく育児能力が無い方で、話し合いの末、やむを得ず子供を堕ろさなければならなくなったケースについては、どういう見解をお持ちなのでしょうか。身体を傷つける結果になっても、尊厳は守ったと言えるのでしょうか。

何でもかんでも「人権」「尊厳」という型に当てはめるべきではない。そう考えます。

まだ刑事問題まで発展するかどうかは不明ですが、今後の動向が気になるところです。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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