中沢啓治作「はだしのゲン」〜平和教育教材から削除・採用禁止について思うこと

原爆ドーム 時事ネタ
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ドクトル
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こんばんは、ドクトルです。

このブログでは皆様に役立つ歯科の知識、時事ネタなどをお伝えしています。

さて、最近話題になっているのが、かの戦争漫画で有名な「はだしのゲン」

こちらの作品が、広島市で行われている平和教育プログラムにおいて、新年度から使わない方針で行くことが発表されました。

そこで本日は、今回の一連について思うところを綴っていきます。

※「はだしのゲン」の作品はこちら⏬


合本版 はだしのゲン①~⑦ (中公文庫コミック版)

「はだしのゲン」〜平和教育教材削除の運びについて

それにしても、なぜ唐突に教材から削除への運びとなったのでしょうか。

出来る限り詳細を調べてみました。

広島市立学校平和教育プログラムとは?

まず、広島市で行われている平和教育プログラムについて以下簡潔に記載していきます。

  • 平和で持続可能な社会を創造していく子どもを育成するために作られた
  • テキストによる座学、参加型体験学習を行う
  • 小学1年〜高等学校まで行う

今回のニュースによりますと、小学3年生のパートで「はだしのゲン」の一部が使われていたが、新年度からはこれを削除するとのことです。

ドクトル
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なぜ教材から削除になったのか?

では、なぜ新年度から削除の方向で進むこととなったのか?

広島市教委は以下のように語ります。

広島市教委
広島市教委

教材には3つのシーンが使用されていました。

  1. 貧しい家庭を支えるため浪曲を歌って小銭を稼ぐ
  2. 妊娠中の母親に食料を調達するため鯉を盗む
  3. 原爆の火の手が迫る中、家の下敷きになった父親がゲンに逃げるよう叫ぶシーン

これらのうち、1と2が不適切である。

浪曲が今の時代背景に合わないこと、鯉を盗んでもいいという誤解も与えかねない。

加えて、時代背景を説明するのに時間が取られ、本来の学習目的を達成するのに時間がかかる恐れがある。

なお今後の新教材については、原爆で家族を失った女性の体験談にするとのことです。

また今回の一連について、作者中沢啓治さんの妻・ミサヨさんは「教育委員会が決めたことであれば仕方がない」と仰っていました。

今回の一連について思うこと

では、今回の件につきまして私の思うところを綴っていきます。

まず広島市教委が出した理由については、とってつけた感の印象を受けた。

描写が小学生にとってグロテスクだから、みたいな配慮ある理由かと思えば、「時代背景に合わない、歴史を説明するのに時間がかかる、鯉を盗んでも良いと思わせかねない」など何とも拍子抜けだ。

文面だけ見れば、「本作品は盗みを助長している」と書いているようにも受け取りかねない。正直失礼な話ではないか。

太平洋戦争真っ只中のこの時代は、明日を生きる為には、手段を選ぶ余裕はなく、盗みもせざるを得なかったほど苦しかった時代だった、てことでしょう。

というか、そもそも鯉を盗むマネなんてするのか?

わざわざ学校で一々教えなきゃ今の子供達は分からないのですか?

あと、「時代背景まで説明すると、学習の時間が取られる」という理由もチグハグな感じ。

いや、説明すれば良いじゃないですか。それとも1コマの時間制限の事情でしょうか?

今回の「はだしのゲン」の教材から削除することについての、教育委員会の理由は本質からとてもズレている気がします。

何というか、答えになってない答えを言っている感じ。

「はだしのゲン」は今でも記憶に残っています。

特に強烈に記憶に残っているのが、第3巻の政二さんのお話。

もろに被曝を受け、全身やけどで包帯巻き、さらには放射能の後遺症もひどく吐血・血便の毎日。

その姿を疎ましく思う身内達。

描写がリアルすぎて、最初読んだ時体調崩しましたもんね。

ですが、この作品に出会ったからこそ戦争の悲惨さ、放射能の恐怖、人間の醜い集団心理、差別など学べました。

子供ながらにキツかったですが、良いショック療法だったと思います。

長々となってしまいましたが、今回の件についてはやはり残念ですね。理由も浅いし。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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