こんばんは、ドクトルです。
このブログでは、皆様に役に立つであろう歯科の知識を、論文紹介を通じてお伝えしています。
要点はマーカーで引いていますので、その部分を読むだけでも内容はご理解いただけるかと思います。最悪、吹き出し部分だけでも大丈夫です!
※今回は論文紹介ではありません
今日はですね、一つ私から在宅介護の方々へお伝えしたいことがあります。
訪問診療をしていますと、特に最近出くわす問題があります。
それは「低栄養」です。
低栄養の原因は疾患、寝たきりなど多岐に渡りますが、私個人として感じるのは
- 嚥下調整食(普通の食事より軟らかくしたもの)中心の為、栄養素が不足している
- 患者さんの嚥下機能に合った食事を、身内の方が提供できていない
これも原因の一種であると考えています。
もう少し深掘りしていくと、こういう背景がありました。
お医者さんからも栄養つけるようにと言われたけど
食事のことについては、相談する相手もいないし、誰に相談すれば良いのか分からない。
なるほど、そういうことかと。
困っているものの、問題解決の糸口が見つからず五里霧中の状態なんだと。
というわけで本日は、在宅介護をされており、お食事の栄養バランスでお悩みの方に向けて記します。
実は訪問歯科でも、管理栄養士の「訪問栄養指導」という名目においてお食事の栄養についてのご相談は承れます。
では管理栄養士の「栄養指導」とは具体的に何をするのか?
実際、私の勤務先で行っていること、以下4点をご説明いたします。
①普段召し上がっている食事のカロリー計算を行う
まず一つ目はカロリー計算です。
詳細を言うと、食事の記録を1週間記載していただき、そのデータを基にカロリー計算を行います。
そのデータと、1日に必要な推定エネルギー必要量と照らし合わせ過不足分を出します。この過不足分については、5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)のどれが足りていないかを大まかに把握していきます。
「この過不足分のカロリーをいかにして補うか」
この対策案を提案して、食事のメニューに取り込んでいただくことをしています。
②食事の魅せ方についてアドバイス
二つ目は、食事の魅せ方についてのアドバイスです。
これは意外に思われるかも知れませんが、ご家族様からは、結構見た目のご相談を受けることがあります。
要は、食形態を落としますと軟らかくなり、形の観点から普通食に比べ若干見劣りすることがある為、これに対し、軟らか食でも見た目を残すにはどうすれば良いのか、というアドバイスもしています。
見た目は食欲に直結するので、非常に重要な役割と言えるでしょう。
ただし一回だけでは、なかなか落とし込めないので、ご家族様が要領を把握するまで寄り添わせていただいております。
③食事の味付けについてアドバイス
三つ目は、食事の味付けについてのアドバイスです。
例えば、とろみを混ぜた食事ですと味が落ちる傾向にあります。こういった場合に、味のついたとろみの作り方ですとか、あまり味落ちしないとろみ剤の紹介などを行っています。
④疾患に合わせた食事メニューの提案
そして四つ目は、疾患に合わせた食事メニューの提案です。
例えば糖尿病が持病である方には、血糖値を抑えた食事メニューを、腎臓病の方などは高タンパク質の食事メニューを、など疾患に応じてご提案させていただくということをしています。
特に慢性腎臓病の方などは、低栄養になりやすく、結果的に全身の筋力が低下するという、サルコペニアの状態になることが多いです。
最後に
以上4点が、現在当院で行っている栄養指導です。
これに限らず、お食事全般のことについては協力できます。
ちなみに、費用の方は510点/回の月2回までの介護保険負担になります。
1割負担であれば、1020円/月ということです。
あと、よく言われるのが栄養指導に関して、「食事に関して逐一指摘されるのではないか….」とご心配される方がいらっしゃるのですが、全くそんなことはないです。
名目上「指導」と名前がついてますが、実際は「相談」なので全然構える必要はないです。
加えて一つ注意点を挙げるならば、当然ですが、管理栄養士がいない歯科医院ではこのサービスは受けれません。
もし、住んでいらっしゃる地域で訪問栄養指導を受けることが難しければ、ケアマネに相談するか、栄養・ケアステーションにご連絡してみるのも良いでしょう。
もしくは、電話対応、お食事のご相談対応を管理栄養士が行なっている、こちらのメディミールにご連絡してみても良いかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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