こんばんは、ドクトルです。
最近論文紹介シリーズばっかりしていますが、お許しください。
本日も懲りずに論文紹介なのですが、今回はテイストが少々違いまして、普通食についてです。
過去の記事(下のリンクをご参照ください)でも何度か“普通食は正義”と言ってきました。それは栄養状態に大きく関わるからです。

今回ご紹介する論文はこちら
この論文は、施設入居者の方々の食事を普通食に戻す、維持する方法を、看護師、介護士の方にインタビューして、その事からどういうケアができるか、という内容になっております。
それでは、内容をかいつまんでご紹介していきます。
①看護師2名、介護士3名にインタビュー

摂食嚥下の分野に精通しており、食形態の回復、およびその援助の経験を豊富に持つ看護師と介護士の方にインタビューをしました。(キャリア:看護師2名29年,13年 介護士8年2名 12年1名)
なお研究期間は8ヶ月です。
②インタビュー内容は5つ
インタビュー内容は以下の5つです。
- 食形態を決定するときのアセスメント(患者情報)の視点
- 普通食が摂取可能となっていく過程
- 援助方法やコツ
- 普通食を促進する要因、および阻害要因
- 他職種との連携
このインタビューの内容から、具体的に行なっているケアをリスト化しました。
③ケアのタイミングについて
ケアを行なっているタイミングは以下の3つに分類されました。
- 普段から行う
- 食事前に行う
- 食事中に行う
④普段から行っているケア
それでは具体的にどういったケアを行なっているのでしょうか。
まず、普段から行っているケアについてですが、簡潔にまとめるとこんな感じでした。

個人的になるほど!と思ったことは赤字にしてます。
- 入居者に関わる時間を多くする
- 情報(調子の良い時と悪い時はいつか、好きな食べ物は何かなど)を聴取する
- 食事前の口腔ケア
- 水分摂取を促す
- 会話をして刺激を与える
- 嚥下体操で準備
- 大好物だった物を目標にして一緒に頑張る
- まだまだこれから良くなるんだ!という前向きな気持ちにさせる
- 主食と副食を運ぶ順番を統一する
- 常に一緒の人が介助することで安心感を与える

覚醒状態を良くすること、マインドを上げることが語られてました。
また、下二つの青マーカーの部分は、主に認知症の方に対してのケアですね。
⑤食事前に行っているケア
それでは食事前の準備についてです。以下に挙げていきます。
- 姿勢調整
- リラックスさせる
- 好みの味付けにする、必要な所は援助するなどして、ストレスを減らし食事への意欲を高める。
⑥食事中に行っているケア
最後に、食事中の援助についてです。以下記載していきます。
- プライドを傷つけないように配慮する(失敗を指摘しない、あえて援助しないなど)
- フランクに会話をする
- 出来る限り自力摂取、且つ完食を目指し、達成感を与える
- 食形態を調整する(※)

※
食事中の嚥下の状態によっては、とろみをつけたりなど調節する。
なお、食形態を上げる判断材料としては、嚥下の状態、口腔機能、食事の摂取状況以外にも
食欲が増えてきた、「固いものが食べたい」という希望がある、という要素もあるとのこと。
まとめ〜感想
今回は、長年普通食の維持、回復に貢献してきた看護師、介護士の方々の貴重な体験談をまとめた内容となっており、非常に参考になる部分も多かったです。
特に、精神面でアプローチすること。つまり、ご本人の意欲や希望があればそれに沿う形で寄り添うことも大事なんだと感じました。後は、目標設定を行うことでモチベーションを上げることも必要であるということでしょうか。
以前の記事(下記参照ください)でも記載しましたが、普通食摂取を可能にする要因の中で、Vitality index、食欲などマインドの部分も関連があるとありましたが、これについては信憑性は高そうですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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