スポンジブラシに付着している細菌数について〜適切な使い方、洗い方を確認してみましょう

論文紹介
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ドクトル
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こんばんは、ドクトルです。

このブログは、皆様に役立つであろう歯科の知識を、論文紹介を交えてお伝えしています。

要点はマーカーで印記していますので、その部分を読むだけでも、大方内容はご理解いただけるかと思います。最悪吹き出し部分を読むだけでも大丈夫です!

今回のテーマは「スポンジブラシ」についてです。

一応ご説明しておきますと、スポンジブラシとはこういう道具です⏬

介護で、口腔ケアをされている方々にはお馴染みの道具かと思います。

さて皆様、このスポンジブラシ、きちんと使い捨ててますか?

いや知ってるわそんなこと。馬鹿にするな。

こういうお声もあるかと思います。

ですけども、現場に伺いますと意外と使いっ放しが多いんですよ、これが。

まず最初に、使用方法について申しあげときます。

コストの面等、様々な事情があるかとは思いますが、原則スポンジブラシは使い捨てです。

衛生上の理由は無論のこと、使いすぎるとスポンジが破れてしまい、その誤飲を防止するという安全面の観点からも使い捨てをお勧めしています。

前置きは以上にして、本日は衛生面に着目して「スポンジブラシに残留した細菌数の変化」について記した論文をご紹介します。どのような洗い方が良いのか見直せる良い機会だと思います。

介護にて口腔ケアをされている方々に、少しでもお役に立てれば幸いです。

ドクトル
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今回ご紹介する論文はこちらです。

「口腔用スポンジブラシ使用後の洗浄・乾燥が付着菌数に及ぼす影響」

犬伏 順也、妻木 浩美、大田洋二郎、江口 徹

それでは本題に入りましょう。

①研究対象者と調査方法

今回の研究対象者は、健康人9名(20〜50代)です。

また、調査方法については以下の2段階です。

先ず1段階目。

  • 使用材料:スポンジブラシ各々2本ずつ配布。(商品名 バトラースポンジブラシ 以下SB)
  • SB2本を用いて、1分間口腔粘膜を拭う
  • 拭った後のSB内の付着菌数を調査
ドクトル
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とりあえず、拭った時に付着した細菌数を調べたということですね。

続いて2段階目の調査。

拭ったSBに付着した細菌数の影響を調査するため以下の4項目に分けて解析しました。

  • 洗浄2本をコップに溜めた水(以下分注水)での洗浄、別の2本を流水で洗浄し、それぞれ比較した。洗浄時間はそれぞれ20秒洗浄後4時間乾燥を行い、菌数を調査。
  • 水切りの有無:洗浄したスポンジブラシを、水切りしたものと、してないもので比較。水切り後、4時間乾燥を行い、菌数を調査。
  • キメの粗さ:別日で、別商品の材質が粗いスポンジブラシを使用してもらい(商品名 ハミングッドK 以下KSB)SBと比較した。20秒洗浄後、4時間乾燥し、それぞれの菌数を調査。
  • 乾燥時間:分注水で20秒洗浄後、乾燥。18時間、72時間後の菌数を調査。
ドクトル
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ざっくりまとめますと、残留菌数は

①コップに溜めた水での洗浄か、流水での洗浄で異なるのか

②水切りしたか、していないかで異なるのか

③材質によって異なるのか

④乾燥時間によって異なるのか

を調査したということですね。

②結果

それでは結果です。

残留菌数は….

  1. 分注水での洗浄vs流水下での洗浄:流水下が圧倒的に少ない
  2. 水切りの有無:水切りした方が圧倒的に少ない
  3. 材質:差は無し
  4. 乾燥時間:時間に比例して減少傾向だが、72時間放置しても、菌数は残留していた。

詳細の図はこちら⏬

「口腔用スポンジブラシ使用後の洗浄・乾燥が付着菌数におよぼす影響」より引用
「口腔用スポンジブラシ使用後の洗浄・乾燥が付着菌数におよぼす影響」より引用
「口腔用スポンジブラシ使用後の洗浄・乾燥が付着菌数におよぼす影響」より引用
「口腔用スポンジブラシ使用後の洗浄・乾燥が付着菌数におよぼす影響」より引用
ドクトル
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このグラフから

流水で洗浄後乾燥する場合と、分注水で洗浄後乾燥する場合では

前者の方が効果があることが示唆されます。

まとめ

では、まとめです。

ドクトル
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流水下で洗浄した上で乾燥すると大幅に細菌数は減る。水切りするとなお良し。

「流水下の洗浄水切り」がポイントですね。

ですが、衛生面、安全面においての対策という意味でスポンジブラシの使い回しは辞めましょう。取説でも「使い捨て」と記載されていますし。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。


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