誤嚥性肺炎を起こす要因〜論文紹介シリーズ

レントゲン診断 論文紹介
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こんばんは、ドクトルです。

今回は「誤嚥性肺炎を起こす要因について」論文紹介を交えながらお伝えしていきます。

この記事を読んで得られること誤嚥性肺炎が起きる原因を学び、その対策を知ることができる

それでは本題に入りましょう。

①研究対象者:誤嚥性肺炎と診断された91名

まず、今回の研究対象者は

平成16年から22年の6年間にわたって誤嚥性肺炎と診断された91名(男性51名 女性40名)です。

ドクトル
ドクトル

※再発者は除いてます。

②研究対象者91名の属性について(どういう人たちか)

この91名の属性は以下のとうりです。

  • 年齢:84.1±9.2
  • BMI:19.0±4.0 (やや痩せ傾向)
  • 入院時嚥下グレード:7.5±2.0 (軽度の嚥下障害)
  • 歩行能力:47名が歩行不可
  • ADL:33.8±27.5(日常生活で介助必要な方が多い)
  • アルブミン値:3.1±0.5(やや低栄養傾向)
  • 認知面:正常なのは6名のみ
ドクトル
ドクトル

要約すると

今回の研究対象者は‘ご高齢で栄養不足、なお且つ認知も入っており一人で生活するのが困難で、誤嚥性肺炎を患った方達’ということです。

なお、嚥下グレードについては以下の図に示します。今回の研究対象者のレベルは赤枠で囲っている部分になります。

引用元はこちらです。

③嚥下能力と各因子との関連性について

続いて、嚥下能力と下記の因子との関連性について調査しました。

  • 年齢
  • BMI
  • 歩行能力
  • ADL(日常生活能力)
  • アルブミン値
  • 認知面
  • 基礎疾患

④結果

関連性があったのは、歩行能力、ADL、認知面

まとめ

今回の結果では、年齢、BMI、栄養状態などは反映されない結果になりましたが、決して関係ないと言い切れるわけではないのでご注意ください。

そもそも、被験者が84歳と高齢の方が多く誤嚥性肺炎患者に限定しているので少し偏った結果になっているだけで、実際加齢と栄養状態もリスクには十分なり得ます。

今回の論文では、特に歩行能力、ADLといった身体機能の低下が、嚥下能力が低下し誤嚥性肺炎のリスクと強く関連しているということが示されました。

ところで、前回、寝たきりは筋力低下、ADLの低下、ひいては介護度の上昇につながるということもお伝えしました。(詳細は下記リンクをご参照ください⏬⏬)

寝たきりー筋力低下ー嚥下筋低下ーADL(日常生活能力)低下ー身体機能低下ー誤嚥性肺炎リスク増加

前の記事と合わせて考えてみると、上のように一本の線に繋がる気がしますね。

従って、こうならないように

普段から歩くなど運動を心がけ、体づくりをしておくことで老後に備えておくことも必要

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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