こんばんは、ドクトルです。
今回のテーマは「黒胡椒による嚥下機能改善」です。
結論から言うと、「黒胡椒による嗅覚刺激が、喉の知覚を活性化し、結果嚥下機能改善に繋がった」とのことです。

ドクトル
ちなみに、嚥下機能改善といえば発話も即時的であるが有効である、ということでこちらの記事でもご紹介しました。
こちらの記事では、喉の刺激でしたが、今回は鼻の刺激です。
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者
今回の研究対象者は小児です。以下詳細です。
- 年齢:4歳3ヶ月
- 男児
- 1歳3ヶ月時に脊髄梗塞を起こし、心肺停止
- 一命は取り留めたが、蘇生後脳症(低酸素脳症)になった
- 嚥下反射はほぼ無いが味覚刺激時のみある。
- 呼吸不全の為、気管切開
- 笑顔や泣きの表情はできる
- 嚥下造影検査によれば、唾液と食物の残留が著明だが誤嚥はなかった
- 気管内頻回吸引が必要

ドクトル
病気の為、寝たきりの状態になった男児。
絶えず唾液と食物が喉に残留し、常時吸引が必要なレベルという状態です。
②調査方法
さて今回の調査方法ですが、服の上から黒胡椒アロマパッチを首にかけて就寝から正午まで過ごしてもらい、吸引回数の変化を調査しました。
期間は2014年2月から6月までの4ヶ月。アロマパッチを貼る時期(A1とA2)と貼らない時期(B1とB2)を交互に設定しました。A1は36日間、A2は18日間、B1は22日間、B2は20日間としました。
なお用いた黒胡椒アロマパッチは「商品名:むせにご縁なし」です⏬⏬


③結果
Ans→アロマパッチを貼付した期間では、吸引回数が有意に減少した。
以下詳細です。
- 吸引回数平均値:A1:12.8回 B1:17.0回 A2:17.9回 B2:8.3回
- B1では咳が出て、嚥下反射が出てきた、むせた後に吸引をしていないのに痰がない(飲み込んだ)とのこと
まとめ〜黒胡椒嗅覚刺激の効果について

以下黒胡椒の刺激がなぜ嚥下改善につながったのかを記載して、まとめとしたいと思います。
- 嚥下反射と咳反射にはサブスタンスPというホルモンが関与している。
- 黒胡椒によって、喉を刺激し、結果サブスタンスPを増やした。
- よって嚥下反射も出現した。

ドクトル
サブスタンスP濃度を上昇させる論文については、たくさんあるので
またの機会にご紹介したいと思います。
今回は1人のみの症例と母体が少ないですが、少しでも参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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