こんにちは、ドクトルです。
本日も論文紹介していきます。
今回のテーマは「口腔ケア」です。
口腔ケアについては過去に何度も記事にしていますので、宜しければ併せてご覧ください⏬⏬

ドクトル
先に結論だけお伝えします。
予想は容易だと思われますが、口腔ケアは効果あります。ただし、施設職員への口腔ケア教育があった上での話です。
上記の論文3つについても、「口腔ケアのやり方の教育」が前提にあることは読んでいただければお分かりになるかと思います。
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者
今回の研究対象者は、2016年9月から2018年8月の約2年間、某老人介護保険施設に入所していた96名です。
対象者の詳細は以下の通りです。
- 平均年齢:88.1±6.3歳
- 2年間の期間フルで入所していた人数(通期群):42名
- 基礎疾患:認知症が最多。次いで高血圧症。
- 要介護5の方が最多。

ドクトル
多くの方が要介護の状態で、歯磨きについては介助が必要な方が多数を占めてました。
②研究方法
続いて研究方法についてです。以下記載します。
- Oral Health Assessment Tool(OHAT)を用いて1ヶ月毎に口腔環境を評価。
- この評価を基に、口腔機能管理シートを作成し、介護者への口腔ケアの教育に使用した。
- 歯科衛生士による口腔ケアは月に3,4回。
- ケアの後は毎回、口腔内の様子などを介護記録に記入した。
- 調査期間2年間を通じて、OHATスコアの変化を追跡した。

ドクトル
なお介護者への教育内容は以下の通りです。
- 講義
- 相互実習
- 現場研修
- ケア方法のポスター貼付
- 口腔ケアの重要性を訴えるポスターの貼付
③結果
それでは結果です。OHATスコアはどう変化したのでしょうか?
Ans→初回と比較し、OHATスコアは減少(口腔内環境改善)した。
特に通期群においては、舌、歯肉と粘膜、義歯、口腔清掃のスコアが有意に改善(0の割合が増えた)した。(下図参照)

まとめ

過去記事でも、今回の論文でも言えることですが
『口腔ケアは、それのノウハウを伝える教育があってこそ効果を発揮する』
言い換えると
『我々歯科が週1で訪問するだけで安心するのは早計。介護者、身内も含めた周囲の実践と協力があってこその口腔ケアである』
口腔ケアのノウハウの伝達をいかに円滑にするか、というのもこちらとしては考えものです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。





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