こんばんは、ドクトルです。
昨日、離床時間と嚥下機能の関連性について、東京医科歯科大学の研究報告を交えてお伝えしました。
今日は、離床時間と日常生活動作能力の関連性について、論文をご紹介しながらお伝えしていきます。
今回ご紹介させていただく論文は、「要介護高齢者における離床時間と日常生活動作能力との関係 日本理学療法士協会国庫補助事業調査研究特別班」です。

真面目系ばかりで、すいません💦
今日の記事を読んで分かること ⏩離床時間と日常生活動作能力の密接な関係性
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者→要介護高齢者6,178名
研究対象者は、全国規模で集めた要介護高齢者6,178名です。なお内訳は以下の通りです。
- 平均年齢80.7±8歳
- 男性2,111名 女性4,067名
- 54,2%は施設 45,8%は居宅
- 要介護3以上が65%
- 重度の意識障害者は除外

全国規模で集めているので母体としては十分信頼できますね。
②離床時間別に4グループに分けて調査
離床時間10時間以上、6〜10時間、3〜6時間、3時間未満の4グループに分類し、日常生活動作の自立度との関係性を調査しました。

【注】この論文では離床と日常生活動作能力について以下のように定義しています。
離床・・・ベッドから離れて座位や立位を保持している状態
日常生活動作能力・・・排泄、更衣、食事、入浴の自立度
この4グループを、軽度障害群(要介護2まで)と重度障害群(要介護3以上) 在宅生活者と施設生活者での比較を行いました。
要は、離床時間と日常生活動作能力との関係を、要介護度別、居住形態別に調べたということです。
③結果
結果は以下の通りです。
- 要介護度別でも、居住形態別でも離床時間が短いほど、日常生活動作能力は低下傾向にあった。
- 特に軽度障害群(要介護2まで)と居宅生活者に、その傾向はより顕著であった。
まとめ
寝てる時間が長い生活を過ごすと、どんどん介護度が上がることを示唆しています。
これは昨日の記事の内容にも繋がることですが、やはり寝たままの生活になると、全身の身体機能を著しく低下させるということですね。

一人暮らしで引き篭もりの生活をしている高齢者が昨今問題となってますが、この論文を読めば、なおさら納得です。
実際私もそういった在宅の患者様にデイサービスを誘ったり、散歩を促したりするのですが、これが結構拒否されるんですよね。ご家族、ケアマネに協力を仰いでもらって何とかはしてますが….
身体に悪くても、本人の好きにさせた方が良いのか迷うところです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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