こんばんは、ドクトルです。
線状降水帯で、昨日は土砂降りでしたが皆様のところはいかがでしたでしょうか。
さて、本日も気になった論文紹介です。
今回のテーマはズバリ「発話」です。我々も普段何気なく行なっている、この発話が嚥下(飲み込み)と影響があるそうです。

この記事を読んで分かること ⏩発話と嚥下機能(飲み込みの機能)の関連性
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者:高齢者7名(男性4名 女性3名 平均年齢66.6歳)
今回の研究対象者は、地域ボランティアに参加する高齢者7名の方です。

脳血管障害の既往も無く、普通に食事をされている健常な方達です。
②調査方法
調査方法は以下の通りです。
- 期間はH25 3.24~30日の7日間
- 調査は1日1名
- 童話「こぶとりじいさん」を20分朗読
- 朗読前と朗読後に嚥下機能測定。朗読中に生理機能測定。

注)
朗読に関しては、アナウンサーが原稿を読むスピード(350個/分程度)で指示を与え、合計7000個読んでもらうよう調整した。理由は先人の研究で7000個程度の発話で嚥下機能に効果を与えたと記載があったから、とのこと。
また嚥下機能は、口の潤い度測定、唾液嚥下テスト、舌圧、呼気筋力、「パ」「タ」「カ」が何回言えるか、を調査。
生理機能は、体温、脈拍、血圧、甲状舌骨筋の温度、唾液アミラーゼを調査。
③結果
Ans→唾液嚥下時間の短縮、体温、脈拍、甲状舌骨筋の表面温度の上昇を認めた。

まとめると
甲状舌骨筋の温度が上がることで活性化し、飲み込みのスピードが上がった。
つまり喉の筋トレとして効果がある、ということですね。
※甲状舌骨筋は、簡単に説明すると喉周りに付着しており、飲み込みの際にも重要な役割を担う筋肉です。イメージは下図をご参照ください。

まとめ〜感想
リハビリの中でも、とても簡便で実用性はあると思います。
ただ、実験を行ったその日での結果しかなく、即時的には効果があったことは分かりましたが、長期的には効果が得られるのか、はたまた頭打ちにならないのかは気になるところです。
あと、舌圧に関しては変化が無かったとのことです。被験者が7名と母体が少ないので断定的なことは言えませんが、喉は喉、舌は舌でリハメニューを別にして鍛えるのがやはり良いということでしょうか。
少なくとも、発話は即時的にのどの刺激になり、その結果、嚥下の活性化に繋がるということは分かりました。
口腔リハで構音訓練、発声練習などありますが、今日の論文は、それを科学的に裏付けたとても価値の高い研究であると思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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