こんばんは、ドクトルです。
今回は「ポリファーマシー」についてです。
ところで、この「ポリファーマシー」という言葉、皆様聞いたことはありますか?
「ポリファーマシー」とは以下のように定義されています。
ポリファーマシーとは、多剤の服用に伴い健康上の別の問題が生じやすい状況を指す。
引用元:ポリファーマシーの概念と対処の基本的考え方
多剤服用の中で害をなすもの。
引用元:高齢者の医薬品適正使用の指針
訪問をしていてよく見るのが、居宅の患者様のお薬カレンダーの中に、パンパンに入った錠剤の数々
患者様はよく言ってます。「飲むだけでお腹いっぱいになる。」と
近年、こうした多剤服用が問題視されています。なぜなら有害作用をもたらすことが最近の研究で判明しているからです。
そこで今回はこの「ポリファーマシー」について今一度見直してみようと思います。

このブログを読んで分かること ⏩薬の飲み過ぎはかえって体に毒となりうる
それでは本題に入りましょう。
①何種類から多剤服用か
そもそも何種類以上から「多剤服用」と定義されるのでしょうか。
結論から言うと、明確な定義はないそうですが、日本では6種類以上とされているとのことです。
また、6種類以上の薬剤を服用している方に、薬物有害事象(副作用)が多く認められたと言うデータがあります。
②なぜ多剤服用になるのか
そもそも、なぜ高齢者は多剤服用になるのでしょうか?
- 理由① 複数の疾患を持っている人が多いから
- 理由② 複数の病院にかかっているから
以下は各年代別の薬剤種類数の表です。


表にあるとうり、75歳以上の方では約4割が5種類以上の薬剤を服用しています。
③どんな有害作用があるのか
よく高齢者にある薬物有害事象の表を以下に示します。


全てを覚えるのは無理なので、上のような症状が出ている高齢者がいた場合に
薬剤名を確認するのが良いかもしれません。
また、現状として高齢者には、エビデンスもなく、効果が薄い割に有害事象が大きい薬を与えられていることが多いみたいです。(ちなみにこういった薬剤をPIMと呼ぶそうです)

※PIMの種類
転倒、ふらつき、認知機能低下を引き起こすベンゾジアゼピン系睡眠薬
上部消化管出血、腎障害を引き起こすNSAID(アスピリンなど)
低血糖リスクを伴うスルホニル尿素薬
など
詳細は「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」の「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」をご参照ください。
④独断で減薬はだめ
上記の通り、色々と有害作用があるものの、独断での減薬は絶対にダメです。かえって病気を悪化させる可能性があるからです。
ではどうすれば良いのかと言いますと、服薬情報を整理し、多職種で情報を共有し、不要な薬剤、重複している薬剤について一つ一つ検討することです。
まとめ
それでは最後にまとめです。
- 6種類以上服薬している高齢者の方は、薬物有害事象の可能性も疑って注視する。
- 副作用に気づいた時は、独断で減薬するのではなく、多職種と情報共有をし薬の改案も検討する。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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