こんばんは、ドクトルです。
本日も論文紹介をしていきます。
今回のテーマは「非経口摂取(経鼻、胃ろう)の口腔衛生状態について」です。

ドクトル
胃ろうについては以前にも記事に挙げましたが、お口の中に細菌の塊である剥離上皮膜が沢山でき、それが発熱の原因になるということでした。(過去記事は下記参照⏬)
本日は、さらに踏み込んで具体的にどういった細菌が多いのか?ということについて見ていきます。
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者
今回の研究対象者は、在宅療養中の65歳以上の高齢者56名です。
この56名を経口摂取群と非経口摂取群の2グループに分けて調査しています。
属性については、以下の通りです。


ドクトル
2グループの特徴
経口摂取群は、自立度が概ね高く自力で口腔ケアをしている。
反して非経口摂取群は、自立度が低く介助が必要。既往で肺炎が多い。訪問歯科の診療は大半が受けていない。
②研究方法
続いて研究方法です。
- 上顎、下顎、舌を含めて合計9箇所から綿棒にて摂取。
- 採取時間は午前が9時30分~11時30分。午後は13時30分〜16時30分の間。口腔ケア30分後、食事後30分後とした。
- 採取した菌:S.aureus、P.aeruginosa(肺炎の原因菌)、Candida albicans(カンジダ菌)
この3種類の菌量について、経口摂取群と非経口摂取群で比較しました。
③結果
では、結果です。
- S.aureus、Candida albicansについては両者差はなかった。
- P.aeruginosa(肺炎の原因菌)については非経口摂取群のみで検出された。
まとめ
では最後に過去記事の内容も含め、まとめとさせていただきます。
胃ろうなどの非経口摂取の方は….
- 肺炎の原因菌が口腔内に突出して多い
- お口の中が乾燥しやすく、剥離上皮膜(痂皮)も出来やすい
- 口から食べないので、飲み込みの筋肉も落ちる
- 喉の筋力が低下しているので、誤嚥しても吐き出せない
- 細菌を多く含んだ唾液を誤嚥しっ放しになる
- 誤嚥性肺炎リスク激高
∴ 非経口摂取者は誤嚥性肺炎にいつなってもおかしくない。口腔ケアでの予防は絶対に必要である。
ここまで読んでいただきありがとうございました。



リンク

コメント