こんばんは、ドクトルです。
堅苦しいタイトルになってしまいましたが、今日は真面目系です。
ネットサーフィンをしていますと、摂食嚥下について興味深い研究報告がありましたので、本日はこちらについて、要所をかいつまんでご紹介していきます。

今日の記事のポイント ⏩離床時間(ベッドから離れる時間)と摂食・嚥下の関連性について
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者→65歳以上の高齢者90名(要介護3,4,5 男42名 女48名)

この研究では65歳以上の高齢者90名で、内訳が男性42名、女性48名、要介護3,4,5の方達を調査したとのことです。

※ 用語説明
要介護3・・・介助がなければ歩行、立ち上がることができない
要介護4・・・介助あっても歩行、立ち上がることもできない
要介護5・・・寝たきり
②離床時間0~4時間、4~6時間、6時間以上の3グループで調査

調査対象者90名の高齢者を、離床時間0~4時間、4~6時間、6時間以上の3グループに分けて筋肉量を調査したとのこと。

※筋肉量について
本研究では、四肢骨格筋(上下の脚と腕)と体幹の筋肉量(背筋など)を測定しています。
③結果


結果
⏩ 離床4時間以上のグループが、全身の筋肉量も多く、常食に近い食事を摂っていた。
本文では以下の通り記されていました。
咀嚼するためには覚醒と体幹機能が重要です。6時間以上の離床で覚醒状態が安定しやすいことが分かっており、本研究から6時間以上の離床で体幹の筋肉量が保たれていることから、離床時間によって摂食嚥下機能に差が生じたと考えられます。
〜(略)〜
本研究で、少なくとも4時間、可能であれば6時間以上離床すると全身の筋肉量が保たれ、摂食嚥下機能が良い傾向にあることを示しました。この知見により、要介護高齢者に対して訓練指導の代わりに日常生活の中に離床を取り入れる指導をする際、具体的な目標を設定することができるようになります。例えば、離床時間が0〜4時間の人は車椅子上での食事を摂ることを目標に、4~6時間の人は食事などの生活動作以外の余暇時間(テレビを見るなど)も、車椅子上で過ごすことを目標に、環境を整えると良いでしょう。
「要介護高齢者の離床時間、全身の筋肉量および摂食嚥下機能の関連」より引用
まとめ〜考察も交えて
以下、まとめと考察です。
- 食事と全身の筋肉は密接に関係している。
- 離床時間の目安は4時間以上。全身の筋肉を維持でき、結果として食事もできる傾向にある。
- 車椅子に座るだけでも良いリハビリになる。

①在宅の場合ですと、ベッドで寝たままの方が多いのでこういった方法も勧めてみる価値はありそうです。
②ただし、車椅子の移乗を介護者が出来ない家庭、例えば老老介護などの家庭ではどうするか。
③ご家庭によっては、根本的に介護環境の整備が必要になるケースも出てくる。
∴ ベッドでの長期安静→全身の筋肉衰える→飲み込みの筋肉も衰える→食事に支障が出る
ここまで読んでいただきありがとうございました。


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