こんばんは、ドクトルです。
本日のタイトルにもある通り、要介護高齢者の方は口腔乾燥に十分注意されて下さい。
昨日の記事と内容が少し被りますが、本日のテーマは「剥離上皮膜について」です。
この「剥離上皮膜」は口腔乾燥が進行してできる、角質みたいなものです。痂皮、乾燥痰などとも呼ばれることがあります。
昨日の記事にも挙げましたが、この「剥離上皮膜」は非経口摂取の方に出来やすく、加えてそれを誤嚥することで、誤嚥性肺炎による発熱リスクが高くなるとお伝えしました。
では、この剥離上皮膜が形成されるまでの詳細について、論文紹介と併せて見ていきます。

この記事を読んで分かること
⏩どんな方が「剥離上皮膜」が出来やすいか。そして作らないための予防法。
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者
今回の研究対象者は、愛知県内C病院入院中の65歳以上の要介護高齢者70名です。
属性は以下の通りです。
- 男性24名、女性46名
- 平均年齢:81.1±7.7歳
- 一日2回の介助磨きをされている
- 保湿剤の塗布はなし
②調査項目
調査項目については以下の通りです。
- 年齢
- 疾患
- 摂食状況(経口摂取、経管栄養、胃瘻)
- 常用薬
- 寝たきり度
- 意識レベル
- 意思疎通の有無
- 発語の可否
- 介助磨きの頻度
- 開口状態の有無
- 舌苔付着度
- 口腔乾燥度合い
これら調査項目と、剥離上皮膜形成との関連性について解析しました。
③結果
剥離上皮膜形成に関連する要因はどういったものだったのでしょうか?
結果はこのようになりました。
- 「摂食状況」が一番関連していた。特に非経口摂取の方。
- 舌背乾燥、開口状態が長い方。
- 口腔乾燥が強い方。
まとめ
昨日と同じまとめになりますが、「口腔内保湿の徹底」これに尽きます。
全ての万物は、使わなければ朽ちていきます。
口も同じです。
口から食べなければ、舌、喉も使わない。そうなると唾液も減り干からびる、加えて飲み込みの機能も落ちる。考えれば当たり前のことです。
じゃあ経口摂取に戻せばいい、とは簡単には言えません。各々の身体状況により取れるリスク範囲も違うので。
ただ声を大にして言いたいのは、非経口摂取の方は口の機能が衰えているので、口腔内は荒廃しやすいんだ、という前提を以ってアプローチしていただきたいということです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。




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コメント
自分の口でものを食べることができるというのは、当たり前ですけど大事なことなんですね。
https://kihonjouhou-aho.com/
コメントありがとうございます!
本当それに尽きますね。
口から食べることは、普段当たり前過ぎて意識してませんが、とてもありがたいことです。