こんばんは、ドクトルです。
毎度毎度申し訳ないですが、今回も研究論文紹介です。

今回ご紹介させていただく論文はこちらです。
施設を訪問すると、アルツハイマーの方はよく見ます。そういった方々の食事場面を観察すると、なかなか食事が進まないことが多いです。
そこで今回は、アルツハイマーの方が食事を積極的に取らない原因について、研究論文を読みながら調べてみました。
このブログを読んで分かること ⏩アルツハイマーの方が、食事が進まない原因
それでは、本題に入っていきます。
①研究対象者:アルツハイマーの方で経口摂取している150名
今回の研究対象者は、アルツハイマーの方で、且つお食事をお口から摂取している150名の方々です。

この150名は、慢性期認知症病棟、特養、グループホームで生活している方々です。
内訳:男性13名 女性137名 認知症レベル軽度27.3% 中程度39.3% 高度33.3%
②食事の自立低下因子を12項目に分けて調査
今回の研究では、食事の自立低下因子を以下の12項目に分けて調査しています。
- 嚥下障害の徴候(むせの有無、唾液の溜め込み)
- 食事開始困難
- 食具の適切な使用が困難
- 適量のすくい取りが困難
- 食事の全てを認識していない
- 食事中の注意維持困難
- 食事中の覚醒維持困難
- 年齢
- 性別
- 認知症レベル
- 麻痺、拘縮
- うがいができるか
③結果
食事を積極的に摂取できなくしている要因としては
嚥下障害の徴候、認知症レベル、食事開始困難が強く関わっていた。

本当は食事をしたいのに、食具が使えない、周りが気になるなどで
なかなか食事にありつけないのも大きな要因であることが分かりました。
まとめ
食具が使えなければ、手づかみサイズにする、茶碗とお箸を一緒に持ってアシストする
周りがうるさければ、個室に移す、テレビを消す
など、環境調整も重要であるということですね。
この論文ではこう書かれていました。
食事開始、再開の手がかりの喪失があり食事開始が出来なかったとしても、食事に対しての意欲が残存している者もいると報告されており、開始の手がかりの支援や、混乱して食事中断しないように環境因子における刺激の質と量を調整する支援をすることで部分的にでも自ら摂食行動を維持することができると言われている。すなわち、認知症の進行による影響だけでなく、食事環境による影響もAD(アルツハイマー)の食事の自立低下に強く影響することが示唆された。
「アルツハイマー型認知症高齢者における自立摂食困難の要因」より引用 一部改変
ちなみに、こちらの記事でもご紹介しましたが、認知症の方の対応法については以下の書籍がとても参考になります。宜しければご覧ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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