こんばんは、ドクトルです。本日も殺人的暑さでしたが、皆様体調は大丈夫ですか?
さて本日のテーマは「8020(80歳で20本以上歯を残す)」についてです。
近年、厚労省が8020運動を掲げていることは周知されているかと思います。
8020を達成しました….でも、それでどうなるの?結果どうなってんの?
こう思われている方は多いのではないでしょうか?
今回ご紹介する論文は、8020達成者が機能的にどう優れているか、生活の質はどう改善したのか、などの詳細を調査したものになります。

ドクトル
この記事を読んで分かること ⏩ 8020を達成すると機能面、QOLがどう変化するか
それでは本題に入りましょう。
①研究対象者
本論文の研究対象者は、8020達成者36名と上下総入れ歯群35名。
この両グループを、機能性の優劣、QOL(生活の質)の高低について比較しました。
なお、上下総入れ歯群は定期検診で通院しており問題がない方達です。
②調査項目
調査項目は以下の通りです。
- 一般項目(年齢、性別、身長、体重、歯式、咬める歯があるかどうか)
- 反復唾液嚥下テスト(30秒の間に唾液を出来る限り嚥下させる。3回以上で正常)
- 口腔乾燥診断
- 咬合力測定
- 咀嚼スコア
- 身体社会的条件20問(20個の疾患に対しての簡易アンケート)
- 口の問題の調査
- QOL評価14問
③結果
それでは結果です。
- 一般項目→両者差なし
- 反復唾液嚥下テスト→両者差なし
- 口腔乾燥診断→両者差なし
- 咬合力測定→8020達成者がかなり優位
- 咀嚼スコア→8020達成者がかなり優位
- 身体社会的条件→総合的に両者あまり差なし。胃腸障害は8020達成者で多く、高血圧は総入れ歯群で目立った。
- 口の問題の調査→8020達成者では、「口の中で食べ物が挟まる」「消化が悪い」の項目が目立った。一方、上下総入れ歯群は「入れ歯があってない」「口の中につらい痛みを感じた」「食べ物が食べづらい」の項目が目立った。
- QOL評価→8020達成者の方がやや高かったが、実際大きな差はなかった。両グループで差があった項目は「疲労が少ない」「年齢的な衰えが気にならない」であった。
まとめ
それではまとめです。
Ans→8020達成のメリットは、咬合力と咀嚼機能の維持、そして老いをあまり感じない

ドクトル
QOL(生活の質)にあまり差がなかったという結果は意外でした。
しかし、これは裏を返しますと、総入れ歯であっても、定期検診に通って調整してもらい、きちんと咬めてピッタリ合った状態を維持していれば、QOLは歯があった頃と同程度に保持できるということではないでしょうか。
ちなみに咬合力に関する記事はこちらにも挙げてます⏬ 宜しければご覧ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


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